「部活動に一生懸命」「こつこつやる生徒」―。そんな印象をもたれていた名古屋市立中学2年の男子生徒が7月10日、マンションから飛び降り、自殺しました。「自分自身に嫌気がさした。いろんな人から死ねと言われた」と書き残して。
日本共産党名古屋市議団は7月23日、「いじめ問題対策チーム」を立ち上げました。
市教育委員会への事情聴取で驚いたのは、「死ね・きもい」という言葉が、日常的に交わされていたことです。さらに現場の教員らも「死ね・きもいと言われて自殺をするなら、自分のクラスの子だっていつ死ぬか分からない」と話しました。
言葉の受けとめ方は人によって違うけれども、「本当に消えてしまいたい」と思う生徒もいるのではないか。「死ね」「うざい」は、自尊心が最も傷つく言葉ではないでしょうか。
一人ひとりが人間として大切にされる、この当たり前のことがなぜできないのか。幾人かの教員の話を聞き、改めて教育現場の困難さに考え込みました。
ある教員は「締切日に提出物を忘れた生徒には、再登校といって、取りに帰らせることもある。そういう『強い指導』が子どもたちの自尊心を傷つけているのかもしれない」と打ち明けました。
別の教員は「事件が起きた後も、忙しくて教員集団で話し合うこともできず、みんな不安を抱えながらも毎日の日課に追われた。全校の教員が事件について話ができたのは1学期の終業式の日だった」と語りました。
事件の翌朝の全校集会では、自殺した生徒の母親が寄せた「命の重さをしっかりとわかってください」というメッセージが読み上げられました。また、教育委員会が開いた説明会では、保護者や地域の方々が真剣に話し合われました。
話を聞き、教員同士の情報共有などの大切さとともに、教員の多忙化や、臨時教員が増え続けているなかで子どもとの信頼関係をつくることの難しさを感じました。
教職員体制の抜本的な見直しで、一人ひとりの子どもと話す時間を教師に保障することが求められます。党市議団は、子どもたちに寄り添える教育条件を実現させるためにがんばります。