減税日本の愛知県議が政務調査費の不正受給で辞職しました。河村たかし名古屋市長が創設した地域政党「減税日本」は、2011年の県議選・名古屋市議選で爆発的に躍進しましたが、わずか2年余で陥没。一方、昨年の参院選で躍進した日本共産党は意気を高めています。次期の国政選挙や県議選・名古屋市議選など地方選挙に向けた政党状況は、様変わりしつつあります。
「1000万円貯金」
「選挙までに1000万貯金しとこうと思ってる」(「中日」8月10日付)。そんなねらいで、地元秘書の給料を実額よりも水増しして県に報告し、政務調査費93万円余を不正に受給した減税日本の愛知県議(名古屋市天白区選出)が辞職に追い込まれました。
名古屋市議の政調費不正受給疑惑も指摘されています。
「減税」を看板に、納税者の味方を装いながら、税金を食いものにする姿に、市民の怒りが噴出しています。
市民から見放された
名古屋の減税日本は11年の県議選で13議席、市議選で28議席を獲得。市内第1党に躍り出ました。
12年衆院選で、減税日本は小沢・嘉田未来の党に合流し全敗。今夏の参院選では、愛知選挙区に減税日本の公認候補を擁立し、河村人気の吸収をねらいましたが、敗退。市内得票数は7万票にとどまり、11年市議選の26万票から19万票を失い、第6党に転落しました。
ホンモノの改革ヘ
民主党は11年の県議選・名古屋市議選で「減税」躍進の影響を受け、市議会第1党から第4党に転落。さらに、民主党政権への国民的批判が高まるなか、愛知県議、名古屋市議が離党。支持基盤の崩れがすすみました。
今夏の参院選では、愛知選挙区の現職を維持したものの、全県でも名古屋市内でも得票は激減。得票を伸ばした日本共産党との差が縮まりました。
日本共産党は、東京都議選に続く参院選の躍進を「躍進の波の始まり」と位置づけています。
県民を裏切らないホンモノの改革推進に存在感を増す日本共産党――。国政選挙での躍進と県議会の議席奪還など地方選躍進をめざす活動が注目されます。
日本共産党 不正疑惑調査申し入れ
名古屋市議会の中村孝道議員(南区選出)の政務調査費不正受給疑惑で、日本共産党名古屋市議団は8月16日、同議員が所属する減税日本ナゴヤ市議団に、事実関係を調査し、議会と市民への説明責任を果たし、必要な責任をとるよう申し入れました。
申し入れ書は「政務調査費は市民の税金を原資とする公金であり、事実と異なる領収書で差額を受給したとすれば、公金横領や詐欺行為と同じ」ときびしく指摘。
所属議員の不正事件が相次いでいる減税日本には公金を預かる資格も能力も欠如しており、代表の河村市長の責任は重大と批判しています。
特権体制くずす
自民、民主を中心とした名古屋市議会の「オール与党」体制は、?議員特権利益共同体?でもありました。
この体制に立ち向かい、議会の民主的改革に取り組んできたのが日本共産党です。同党市議団は政務調査費の使途透明化や減額を主張。与党が拒否するなか、2000年から、支出内容を示す領収書の自主公開に踏み切りました。
07年には議員提案で、政調費関係の領収書全面公開と議会に出席した市議への1日1万円の費用弁償を廃止する2つの条例改正案を提出。
民主、自民、公明などの反対で否決されましたが、議会改革を求める市民運動が前進。領収書公開と費用弁償廃止が実現しました。