愛知民報

【13.06.09】原発ゼロ 廃炉に 「事故は進行している」笠井亮日本共産党衆院議員が報告 原発問題愛知連絡センターの学習会

 県内の労働組合、民主団体、日本共産党などでつくる原発問題愛知県連絡センターが5月25日に開いた学習会。事故2年後の今年3月に福島第一原発を視察した日本共産党の笠井亮衆院議員が報告しました。

事故から2年 フクシマの今

 
 現場は2年たっても「収束」とは程遠い?事故進行形?です。

 敷地内に入るには防護服に全面マスク、靴下を二重に履き、靴も特別の厚底、綿の手袋の上にゴム手袋を三重にしました。我々は80分間回っただけで息苦しかった。作業員はその格好で仕事し放射性物質にさらされます。

 爆発で屋根が吹き飛んだ4号機の線量計は278マイクロシーベルト。1~3号機は危険で入れず、バスの中の線量は1000マイクロシーベルトを示しました。

 大量の放射性物質を含む汚染水貯蔵タンクはあと2年であふれ、処分の見通しはなく、地下貯水槽からは汚染水が漏れています。

 原発事故の「収束」を宣言した民主党・野田政権の責任は重大ですが、自民党・安倍政権も事故に真剣に向き合っていません。汚染水について、東電社長は「安易に海に放出しません」と発言しましたが、これは?安易でなければ海に放出する?という立場です。政府も同様です。

 茂木経産相が議長の廃炉対策推進会議のメンバーは、東電、東芝、日立製作所など原発推進側がずらり。内輪で処理しようという思惑が見え見えです。

 全国で唯一稼働中の大飯原発が9月に定期検査で止まります。今回で3回目の原発稼動ゼロの秋を迎えます。しかし推進勢力は「原発ゼロ」にしたくないわけです。

 安倍首相は「安全が確認された原発は再稼動」と断言しています。事故の原因を究明できない政府がどうして再稼動をいえるのか。

 先行して稼働申請を出そうとしているのは6つの原発。その中には東電の柏崎刈羽もあります。福島原発事故の収束もできないのにです。

 安倍首相が再稼動に固執するのは、動いている原発が国内になければ海外に売り込めないからです。中東に原発を売り込むのが事故を起こした国の首相のやるべきことかと言いたい。

 原発は時間、空間を越えて地域を破壊します。人類とは共存できません。福島から県外への避難者は5万5610人、愛知県には797人が避難しています。

 すべての原発を止め、そのまま廃炉にするのが一番です。