いま、安倍政権と愛知の大村県政が連携し、大企業に特別の恩恵を与える「特区」制度を起爆剤に、愛知を大企業の新たなもうけ口にする改造計画を具体化しつつあります。
安倍首相は「世界一ビジネスのしやすい事業環境を実現する」、大村知事は「グローバルビジネスを愛知に呼び込む」と言いますが、その一方で、安倍政権は消費税大増税や社会保障改悪、解雇自由化、大村県政は子どもや障がい者らの医療費無料制度の有料化をねらっています。
経済学者は「大企業にとっては天国、国民にとっては生き地獄を呼び込むもの」(吉田敬一・駒澤大学教授)と警告しています。
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安倍政権が、愛知での実施を検討している「戦略特区」構想は、有料道路の民営化▽航空宇宙分野の法人税の大幅引き下げ▽公道での車の自動運転の実験▽ハローワークの県移管・民営化など。
これらの大企業本位の規制緩和や税制優遇は、大村知事が国に求めてきたものです。
県は、三菱の新たな航空機生産工場の建設用地を確保する段取りをとったうえ、不動産取得税の免除を決定。法人税の「アジア最低税率への引き下げ」を期待しています。
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有料道路の民営化は、県の道路公社が運営する知多半島道路、南知多道路、知多横断道路、中部国際空港連絡道路、猿投グリーンロード、名古屋瀬戸道路、衣浦トンネル、衣浦豊田道路の運営権を民間企業に売却するもの。県民の負担で建設した「実質黒字の優良資産」(「中日」)の管理・運営を民間企業に任せ、県民に約束した有料道路の無料化計画を棚上げします。
大村県政は、今年度中に有料道路民営化の具体的な計画をつくり、運営権を売却する企業の公募に入る予定。営利優先の民間企業の運営による利用者の負担増や道路の安全性低下を心配する声があがっています。
安倍政権と大村県政の政策は、県民の福利との矛盾を深めています。