昨年総選挙の300小選挙区で、候補者の得票が議席に結びつかなかった死票の割合が50%以上だった選挙区が6割に及ぶことが問題になっています。
日本共産党の佐々木憲昭衆院議員が3月22の衆院政治倫理・選挙特別委員会で質問し、総務省が初めて公式に明らかにしました。
小選挙区制は最大得票の1人しか当選できず、それ以外の候補者の得票は死票になり、有権者の選択が反映されません。
前回総選挙で大勝した自民党は、愛知県内では15選挙区中13議席を占めました。39%の得票率で議席占有率は86・7%でした。
愛知5区は死票率68・03%で全国300の小選挙区中7位。他に死票率が6割を超えたのは3区、4区、9区、12区、15区でした。
また、昨年総選挙の「1票の格差」をめぐる裁判で違憲・選挙無効の判決が相次ぎ、衆院選挙制度改革が政治の緊急課題です。
共産党が抜本改革案
日本共産党は3日、選挙制度を抜本改革する提案を発表しました。同党の提案は、▽小選挙区制を廃止し、全国11ブロックの比例代表制にする▽総定数480議席を維持し、すべての定数を現行の比例11ブロックに人口比例で配分する―というものです。
1人1票実現訴訟 代理人弁護士 川口創さんの話
「1票の格差」の裁判で、各地で違憲判決が出され、無効判決まで出された。国会の怠慢をもはや司法も放置できないと重い腰を上げたのだ。今の国会は「違憲の議員」による「違憲の国会」である。この「違憲国会」が憲法改正を議論していること自体、明らかな矛盾だ。
現状の小選挙区制では、1票の格差の是正は困難である。まず行うべきは、憲法改正などではなく、選挙制度の根本的な改革だ。