名古屋市長の河村たかし氏が率いる地域政党「減税日本」が自己崩壊しつつあります。
市長選挙が目前に迫るなか、所属議員の離脱が相次ぎ、河村市長の求心力喪失があらわになっています。
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減税日本は、民主党を離れた同市長が2010年4月、「庶民革命」の実行部隊として立ち上げた政治団体。
「自民も民主もダメ」の流れのなか、11年3月の市議選で「ボランティア政治」をかかげて既成政党批判を展開。現職1人から28人に大躍進しました。
ところがその後、議員公費の乱用、違法商法、当て逃げ事件など所属議員の不祥事や会派の分裂が連続。
昨年暮の総選挙では、河村市長は減税日本の看板を下ろして未来の党に合流。同市長の地元・愛知1区で減税日本副代表の現職を落とし、全敗しました。
最近の世論調査では、減税日本を「評価しない」が62%。
沈没寸前のドロ船から逃げ出すように所属市議の“減税離れ”が続き、今では18人に減っています。
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河村市長は離脱の動きを「裏切り」と非難しますが、河村政治そのもののゆきづまりのあらわれです。
「商売を盛んにする政治をやる」という河村氏。議員も「パブリック・サーバント(公僕)」とは名ばかりで、商売感覚で動きます。
「減税」の実態は大企業・富裕層優遇。庶民にはわずかな減税を上回る国民健康保険料・介護保険料の値上げが押しつけられました。保育料値上げの計画や敬老パス改悪も検討されています。
市民から声がでます。「河村市長は賞味期限が切れた」
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河村氏は旧民社党の春日一幸委員長秘書。市長選に出る自民市議も同じく塚本三郎委員長の秘書。同根です。
名古屋市政の新しい担い手を選択するときを迎えています。