日本共産党愛知県委員会は13日、県が計画している福祉医療制度改悪を阻止するための呼びかけを発表しました。その要旨を紹介します。
弱者に負担増
大村秀章知事の愛知県はこのほど、子ども、障がい者、母子父子家庭、75歳以上の寝たきり・認知症等の高齢者を対象に市町村と共同で実施している福祉医療(医療費無料)制度に、患者の定額負担と所得制限を導入する「見直し素案」=改悪案を公表しました。
「見直し素案」は、?通院1回300円、入院1日100円、?通院1回500円、入院1日500円、?通院・入院とも1カ月1医療機関で500円の自己負担の3案(市町村民税非課税世帯は全額免除)と、4種すべての福祉医療に所得制限を導入するもの。
県は4月上旬にも最終案をまとめ、2014年度から定額負担、17年度から所得制限を導入する計画です。
この改悪が実行されると、受診機会の多い、145万人にのぼる弱い立場の人々に医療費の負担増をおしつけることになります。
しかも、今回の「見直しの基本的な考え方」として、子ども医療の通院(現行は小学校卒業まで)の対象年齢拡大はおこなわないなど制度拡充に歯止めをかけています。
歴史的大改悪
愛知県の福祉医療制度は、医療保険の患者負担分を県と市町村が半額ずつ公費負担することによって、医療機関の窓口での支払いを無料にする制度です。
1973年に市町村への補助事業として県が新設したゼロ歳児の医療費無料化にはじまり、以後、県民の運動により県・市町村共同の福祉事業として、子ども、障がい者、母子父子家庭、寝たきり・認知症などの高齢者に拡がり、社会的弱者の医療保障と健康保持に大きく貢献しています。
今回の県の改悪の動きは、1973年以来の医療費無料化の流れを断ち切り、窓口無料から有料に切り替える歴史的な大改悪です。
ヨーロッパやカナダの公的医療保険では、社会的弱者に限らず窓口負担ゼロが当たり前になっています。こうした世界の流れにも逆行する改悪です。