愛知民報

【12.12.23】奨学金、返済できない なくそう子どもの貧困 ネットワーク結成

 
 深刻化する子どもの貧困を解決しようと「なくそう!子どもの貧困ネットワークあいち」が13日、名古屋市内で結成されました。教職員、学生、市民ら約130人が参加。個人加盟制で、学習会や自治体への政策提言などをおこないます。

 名古屋市立高等学校教員組合の小島俊樹委員長が設立の経過を説明。「進学を希望する生徒も貧困問題に直面している。年齢層を超えた反貧困のネットワークをつくろう」と呼びかけました。

 大内裕和中京大学教授が講演し「学費の高騰と家計の困難から奨学金受給者が全大学生の5割を超え、卒業後に返済が困難になる学生が急増している」と指摘しました。

 有利子奨学金の枠だけが増え、教職や研究職に就いた時の返済免除制度が廃止されたことにも触れ、「自分の奨学金を返し終わらないうちに子どもが大学に上がる例もある」と怒りを表明しました。

 大内氏は、一定年収以下の人への返済猶予・免除、有利子奨学金の無利子化、給付型奨学金の導入を提案しました。

 大学生は「せっかくの奨学金が就職活動の交通費に消えていく。就職できなかったら返済できない」と発言。大学院生は「司法試験を目指す学生の半分以上が奨学金を借りている。司法修習生への給費制を復活してほしい」と訴えました。

 県立高校教員は父母の貧困化に触れ「親に入学金100万円を準備できるかどうかを聞いてから、進路指導をするのが悲しい」と苦しい胸の内を吐露しました。