愛知民報

【12.12.16】生活保護は人権保障 削減に反対 名古屋で緊急集会

 
生活保護の削減に反対する「貧困の広がりではなく社会保障の充実を―緊急市民集会」が1日、名古屋市の中村区役所で行われました。主催は「反貧困ネットワークあいち」。

 内河惠一・同ネット共同代表は、民主党政権がすすめる生活保護基準切り下げの動きを「金がない人の悲痛な叫びを無視するもの」と強く批判しました。

 吉永純花園大学教授が講演し、生活保護が最後のセーフティネットとして210万人の命を支えていると同時に、保護費のほぼすべてが消費に回ることから、「コンクリートよりも景気対策として有効」と指摘しました。

 名古屋市の被保護世帯は3万700世帯以上。福祉事務所の保護担当者は1人平均140世帯以上を担当し、社会福祉法の基準(1人で80世帯)を大幅に上回っています。

 185世帯も担当している職員は「家庭訪問が一番重要なのに、内部事務が膨大で肉体的・精神的に追い詰められている」と発言しました。

 市立病院の相談員は、健康保険料を滞納している糖尿病患者が重症化して足を切断した例などを紹介し、「患者さんの苦しい実態を見ると、生活保護切り下げなんて許せない」と怒りをあらわにしました。

 契約社員の男性は、「ハローワークの求人で事務職は時給800円。パート仕事にしかありつけず生活保護で補てんする人もいる」と述べ、賃金の引き上げを主張しました。

 失業中の30代の男性は「自炊して食費も切り詰めている。もし保護費を減らされたら生きてゆけない」と訴えました。

 参加者は、「生活保護は市民の権利だ」「当事者抜きで制度を変えるな」などと訴えながら、名古屋駅前までデモ行進しました。