愛知民報

【12.06.03】ソニー1万人削減計画 稲沢工場 住民に不安広がる 

 電機大手ソニー(東京都港区)が4月、業績不振を理由に全世界のグループ会社の従業員を1万人削減する計画を発表しました。

 業績不振の原因について、マスメディアは「主力の薄型テレビ事業は8期連続の赤字」(4月11日『日経』)と報道しています。

 稲沢市にある同社の工場(従業員約1000人)は国内唯一のソニー製テレビの生産工場。クビ切りの不安が起きています。

 ソニーはリーマン・ショック後の2009年1月、一宮工場の閉鎖、テレビ生産の稲沢工場への集約にともない、期間従業員・派遣社員を大量に雇い止めしています。
 日本共産党の、かわえ明美衆院東海比例予定候補、松崎省三衆院愛知9区予定候補、もとむら伸子参院愛知選挙区予定候補、渡辺幸保、曽我部博隆両稲沢市議らは5月23日、稲沢工場を訪問。「地域の雇用と経済への悪影響が懸念される」と指摘し、人員削減計画の公表や雇用の維持を求めました。応対した鈴木一美・担当部長は「人員削減について具体的にわかる状況ではない」としつつ、「ものづくり自体が海外に移転しつつある」と述べました。

 かわえ氏らは稲沢市役所を訪れ、「市長が先頭に立って直接本社に雇用維持を働きかけるべきだ」と対応を求めました。

 市側から鬼頭好信総務部長と真野宏男市長公室長が応対。「ソニーからの具体的な話はまったくない。全面撤退ということになれば重大」と答えました。

 ソニーの1万人削減計画について、ある住民は「地元や生産現場に知らせずに、本社で秘密裏に決めて工場をつぶすのではないか」と語っています。

大企業は社会的責任を 愛知県労働組合総連合 吉良多喜夫事務局長

 ソニーの大リストラ計画は、雇用と経済に対する大企業の責任放棄と言わざるを得ません。電機業界はグローバル化がとくに進み、部品の海外調達が多いのが特徴です。

 リーマンショックの時には、ソニー稲沢工場で働いていた派遣従業員から雇い止めの相談を受けたこともあります。

 利益第一主義に走って一方的に工場閉鎖をすれば、雇用と地域経済にダメージを与えます。幸田町にも大きな工場があり、工場閉鎖を許さないたたかいをすすめます。