内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」は3月31日、東海地震などの震度分布と津波高の最大予測値を公表しました。愛知県内の25市区町村で震度7、豊橋市で津波高が20・5メートルに及ぶなど、従来の想定を大幅に上回りました。地震・防災対策の強化が求められています。次期総選挙の比例代表東海ブロックでは、浜岡原発の再稼働か、永久停止・廃炉かが重大争点になります。東海4県の日本共産党は、「比例2議席で、原発ゼロ・国民の暮らしを守る政治への転換を東海から」と、東海比例予定候補の佐々木憲昭衆院議員、かわえ明美准中央委員の勝利に全力をあげています。
浜岡原発の廃炉 争点
豊橋市は浜岡原発から70キロメートル圏内で、原発事故が起きれば甚大な被害が予想されます。中電が浜岡原発に建設中の防波壁は高さメートル。今回の想定では浜岡原発周辺は震度7、津波の高さは21メートルです。
日本共産党も参加する「浜岡原発いらない東三河の会」共同代表の宮入興一・元愛知大学教授は「想定が出された以上、中部電力は浜岡廃炉を決断すべきだ」と指摘します。
夏の電力需要ピーク時を乗り切り「原発がなくてもやっていけるとの世論を大きくしたい」と話しました。
豊橋市は震度7、津波高20・5メートルの想定。市では今、防災ラジオを普及し、コミュニティFMで地震速報を自動的に流す仕組みを整備しています。
日本共産党の斎藤啓市議は「いのちと財産を守る仕組みをただちにつくる必要がある。最大の被害想定を踏まえて具体化を求めていく」と語りました。
高齢者が多い南知多町は震度7、津波高10メートルの想定。漁港にはたくさんの船が係留され、人家も密集しています。
山下節子日本共産党町議は「堤防や岸壁の改修は伊勢湾台風以来手がつけられておらず、ひび割れや陥没も目立ち始めている。地震・津波、台風などあらゆる災害に対処できるよう町とも連携し、国・県に防護機能の強化を求めていきたい」と話しています。
「名古屋港の老朽化した高潮防波堤や岸壁は、想定に基づいてきちんとしたものに改修することが必要だ」と言うのは、日本共産党の山口清明名古屋市議。港区では、4階建以上を避難ビルとする指定をすすめています。港湾労働者の安全確保も課題です。
山口議員は「コンビナート防災は名古屋港だけでなく伊勢湾全体の問題です。油流出などへの備えが必要です」と話しています。
県民意識 地震に関心95% 「死ぬおそれ」3割
愛知県民の95%が起こりうる巨大地震に関心があり、3割の人が死のおそれを感じている――県が今年1月に行った地震に対する意識調査の結果がこのほどまとまりました。
東海・東南海・南海各地震の連動発生に、「非常に関心がある」63・6%、「関心がある」31・5%で、計95%の人が「関心がある」と答えています。
前回の2009年度調査と比べると「非常にある」が16・2ポイント増え、東日本大震災後、県民の不安が急激に高まっています。
連動地震が発生した場合、63・4%が「自宅の倒壊や損壊」、57・0%が「家族・親類・知人の安否やその確認手段」に危険や不安を感じています。
震度6弱以上の強い揺れがおきた場合、31・6%が「死ぬおそれがあるかもしれない」、27・1%が「大けがをするかもしれない」と答えています。
津波対策では、44・3%が「津波警報や避難に関する情報の伝達のための防災行政無線などの通信設備の整備」、43・6%が「津波時の避難場所や具体的な避難経路を指定した津波避難誘導計画の策定」を求めています。