中部国際空港(常滑市)を発着する国際線旅客便が3月末から増便されます。上海、北京、瀋陽、ソウル、台北、香港の各路線で、いずれもすでに就航している路線の増便。日系会社の運航は全日空の上海線のみで、他は外国の航空会社です。
同空港は2005年の開港以来、利用が年々減少。国際線、国内線を合わせた発着回数は05年度の10万6436回から8万3434回(10年度)に激減しています。
国際線定期便の撤退が相次ぎ、長距離は北米1、ヨーロッパ2、中東1の計4路線。他は中国、韓国、東南アジアの短・中距離路線です。
大村県政は「世界からヒト、モノ、カネを呼び込む」として同空港沖に2本目滑走路建設を要望しています。空港の実態は国内経済とともに航空需要も落ち込み、今回の増便も外需頼み。
中部空港会社は、中国などアジア諸国からの観光客の増加に期待します。しかし、不安定な外国の観光需要に依存して、巨額の2本目滑走路建設に走るなら、将来に大きなツケを残すことになります。