愛知民報

【12.03.04】名古屋市の新年度予算案 大企業・富裕層を応援 公的福祉を解体 日本共産党 福祉・防災に全力

 河村たかし名古屋市長は来年度予算案で、大企業・富裕層応援、庶民負担増・公的福祉解体をいっそうすすめようとしています。

 日本共産党市議団は、「構造改革」=公的福祉解体路線と正面から対決し、福祉と防災のまちづくり、市民の家計を温める経済政策などを積極的に提案し、論戦を挑みます。

 予算案は市民税5%減税が前提で、恩恵を受けるのは大企業(最高1億円)や富裕層(最高で500万円)です。一方、庶民には介護保険料の1・3倍もの値上げや、守山市民病院の廃止・民間売却など公的福祉の解体が押し付けられます。

 介護保険料(65歳以上)は、基準額が年間1万5497円も値上げされ6万5282円へ。後期高齢者医療保険料も1人平均4439円の値上げが決まっており、75歳以上の高齢者には合わせて平均2万円もの負担増がのしかかります。

 「減税」の財源づくりのために、学童保育所への助成金の緩和措置の縮減や民間保育所への給食費(牛乳・おやつ)補給金の廃止など、子育て予算にも切り込んでいます。

 「区役所の民営化」を唱える河村市長のもとで、予算案では守山市民病院の廃止・民間売却、緑市民病院の民間事業者管理(指定管理者)開始、志段味図書館への指定管理者の導入、保育所への営利企業の参入解禁などを推進。新たに「民間活力の導入に関する調査費」も計上しました。「福祉の増進」という自治体の役割を放棄し、「営利企業化」するもので重大です。

 昨年秋の「事業仕分け」判定結果をもとに市民サービスを削減。予算案は、子育て支援手当(第3子以降の3歳未満児に月額1万円支給)や生活衛生センターの展示室「ムーシアム」を廃止します。

 また来年度は、休養温泉ホーム松ヶ島と高年大学鯱城学園は「存廃」を含めて検討。女性会館と男女平等参画推進センターは「統合」も含めて検討。野外学習センターのあり方や生涯学習センターへの指定管理者の一部導入も検討し、「来年度中に方針を決定」するとしています。敬老パスは見直しを検討し「2014年度からの反映」としています。

 「金持ち減税」を恒久実施すれば、福祉・市民サービスに大ナタが振るわれます。

 大企業応援は「減税」のほかに、国際競争力強化の巨大インフラ整備も。予算案にはリニア中央新幹線開業を見据えた名古屋駅前などの大型開発、財界の意向に沿った名古屋大都市圏戦略の検討調査、「特区」指定された航空宇宙産業国際拠点化支援事業などが盛り込まれています。名古屋城天守閣の木造復元に向けた調査費も計上されました。

 一方、予算案には、市民の要望や日本共産党の運動を反映し、小・中学校の普通教室の冷房化の調査費、住宅用太陽光パネル設置の補助件数の拡大、民間木造住宅の耐震改修助成の拡充などが盛り込まれています。