愛知民報

【12.01.29】「減税行革」許さない 名古屋市 河村市長の市民犠牲 共産党議員団が要望提出

 河村たかし名古屋市長が大企業・富裕層優遇となる「5%減税」の実施を決め、敬老パスなど全国に誇る福祉施策を「事業仕分け」で見直そうとするなか、2012年度予算編成にむけた市民のたたかいが重大な局面をむかえています。

 河村市長は減税財源づくりの「行革」で、守山市民病院の民間譲渡、緑市民病院の民間委託、障害者施設や特別養護老人ホームの民間移管などを進めています。一方、無駄な大型事業は見直そうとしていません。

 保育所待機児童対策はすべて民間任せで待機解消を口実に保育への営利企業参入に道を開こうとしています。

 市は、河村市長の査定を経て2月上旬に予算案をまとめます。

 各市民団体は、敬老パスの継続、事業仕分けで廃止判定された女性会館の存続などを求めて、市民世論の結集に全力をあげています。

 日本共産党名古屋市議団(わしの恵子団長)は20日、河村市長に2012年度予算編成にあたっての重点要望を提出しました。

 このなかで「市長は『国は増税、市は減税』と言うが、大企業の利益最優先で庶民に負担を押しつける点では野田政権と河村市政はうり二つ」と批判。▽保育園待機児童解消は公立保育園新設で▽3割もの値上げが予想される介護保険料で、あらゆる手段で市民の負担増をくい止める▽事業仕分けで一方的な廃止・見直しはしない▽守山市民病院の直営堅持▽国保料引き下げ―など11項目を求めました。

 河村市長は「きびしい財政状況のなか要望の実施は難しい」と述べ、市民の切実な願いに背を向ける姿勢を示しました。

福祉と民主主義守れ 市民のつどいに700人

 
 河村たかし名古屋市長がすすめる大企業・大資産家優遇減税のための市民・弱者切り捨てを許さず、暮らしと福祉の充実・民主主義の名古屋をめざす市民のつどいが20日、名古屋市で開かれ700人以上が参加しました。

 革新市政の会がよびかけた実行委員会が主催しました。市長がすすめる福祉・市民サービス切り捨ての「事業仕分け」、市民病院の民間譲渡、保育への営利企業参入などに反対し、市立高校教員、障害者、女性、保育、業者などの9人がリレートーク。河村市政への怒りと、市民が主人公の市政を実現する決意を述べました。

 「ずばっと切り込むミニ講演」で、わしの恵子日本共産党名古屋市議団長、名城大学の井内尚樹教授、富田偉津男税理士が河村市政の問題点を解明しました。

 わしの氏は、河村市長の立場は憲法9条改憲と、「減税」をテコに「行革」と企業誘致を推進する新自由主義政策推進で、小泉「構造改革」と同じと指摘しました。

 河村市長の市議定数半減発言について「市長は『市町村議会は発展的に解消する』とまで述べて地方自治破壊、独裁政治をすすめている。定数半減に反対する市民との?一点共同?を広げ、共産党は引き続き議会の自主改革をリードする」と表明しました。

 井内氏は「河村市長がすすめる大企業優先・輸出特化経済、呼び込み型開発に未来はない。自然エネルギーへの転換で中小企業の仕事をつくり、公契約条例で労働者の生活を支え、病院・保育所などのインフラを公的に整備するビジョンを押し出していこう」と訴えました。

 富田氏は「憲法や租税法は応能負担が原則だ。所得配分は福祉施策充実など弱者に手厚くすべきもので、河村市長の手法はまちがっている」と解明しました。