愛知民報

【11.12.11】リニア推進のJR東海 ローカル線は切り捨て 飯田線 ほとんど無人駅に

三河一宮、東新町、本長篠の各駅が2012年3月末限りで無人化

三河一宮駅
 JR東海は来年3月末限りで飯田線の三河一宮(豊川市)、東新町(新城市)、本長篠(同)の各駅を無人化します。

 4月1日からは同線の県内区間(豊橋~東栄51・2キロメートル)のうち、有人駅は豊橋、牛久保、豊川、新城だけに。新城以北は40・8キロメートル先の静岡県の中部天竜駅まですべて無人駅になります。

 JR東海は、リニア中央新幹線建設にばく大な設備投資をすすめる一方で、地域輸送を担うローカル線を容赦なくリストラの対象にしています。

 無人駅になると、窓口発券が必要な指定券や定期券の購入は不便になります。本長篠駅には特急が停車しますが、事前に他の駅で指定券を用意しない限り自由席車しか利用できなくなります。

 新城市の一部では電車通学する小中学生がいます。市教育委員会は「定期券を学校で購入し、生徒に支給している。保護者が買いに走る事態にはならない」と話しています。

 沿線には高校が3校あります。三河一宮駅で高校生4~5人に聞いたら、全員が同駅の無人化は「知らない」と答えました。1年生の女子生徒は「定期券を買うのが不便になります。新城駅で途中下車するか、1駅乗り越して豊川駅に行くか。残念です」と話しました。

 また、三河一宮駅では下り列車の利用は上りホーム側から陸橋を渡らなければなりません。下りホーム側には車イスで直接外に出られるスロープ付き通路がありますが、出入口は施錠されています。無人化以降の対応について、豊川市の担当者は「バリアフリー通路を開放して自由にホームに出入りできるようJRと協議中」と話しています。

市の責任で安全を 日本共産党豊川市議 安間寛子

 9月議会でこの問題をとりあげました。三河一宮駅は合併前の旧一宮町の中心駅で町の顔としても重要です。

 駅の無人化は安全確保と周辺の防犯の面で大きな問題があります。同駅最寄りの宝陵高校には養護学校も併設されており、人の力が必要です。利用が多い朝夕の通学時間帯だけでも人を配置できないものか。旧町の財政で作ったバリアフリー通路も活用しなければなりません。

 JRは撤退するべきではありませんが、強行される以上、市の責任で業務委託を受けるなど安全確保に手をつくすべきです。