愛知民報

【11.11.20】寄稿 大村秀章愛知県知事の「減税見送り」 大企業応援に50億円

生活応援事業に大ナタ

 大村秀章知事が知事選公約の「県民税10%減税」の2012年度実施見送りを発表しました。代わりに、企業減税分に相当する50億円を毎年基金に積み立て、企業誘致や研究開発の補助金にあてる計画です。企業といっても実際の補助対象は主に大企業です。

 これをどう見るか。県の財政逼迫のもとで、河村たかし名古屋市長と連携する「減税」という?名?を捨て、大企業への補助拡充という?実?を取ったと、私は見ています。もともと大村氏の減税目的は企業支援が鮮明でした。減税見送りはこの目的に沿った「決断」と言えましょう。

 自民、民主、公明、減税日本一愛知は歓迎または容認しています。県と市のダブル減税をねらった河村市長の戦略はつまずき、「減税日本」は窮地に立たされています。

 知事は50億円を「行革」でつくるといいます。県は「深掘り行革」の名で、福祉医療の改悪や愛知こどもの国の廃止など、生活支援事業に大ナタを振るおうとしています。

 しかし、大型開発事業の無駄遣いにはメスを入れません。「減税」を看板に「行革」や「事業仕分け」を通じ、自治体財政の流れを住民福祉から大企業応援に徹底的に切り替えるのがねらいです。

 名古屋市議会では日本共産党市議団が河村市政に対決して奮闘しています。残念ながら県議会には日本共産党の議席がなく、大村県政に県民の立場から対決軸と対案を示す勢力がありません。

 それだけに、県民犠牲を許さず、福祉・教育など生活支援の拡充を県に求める県民の要求運動が大事です。日本共産党はその先頭に立ってがんばります。

(日本共産党愛知県委員会自治体部長・林信敏)