第2次世界大戦に参加した元日本軍兵士と高校教員が共同執筆した「最前線兵士が見た『中国戦線・沖縄戦の実相』~加害兵士にさせられた下級兵士~」(1300円)=写真が学習の友社から出版されました。
執筆者は三重県桑名市在住の近藤一さん(92)と名古屋市中村区の私立同朋高校教員の宮城道良さん。
近藤さんは、中国山西省、沖縄中、南部で兵役。1992年から高校生にたいして「私は中国で十数名の中国人を、沖縄で十数名の米兵を殺傷しました」「中国では強姦(ごうかん)・略奪・子どもを殺すことが、『天皇の軍隊』の名によってなされておりました」と加害の事実を赤裸々に証言し、「日本が再びアジア各地で加害者にならぬよう、地獄以上の沖縄戦の惨状がまたおこらないよう、憲法9条守ることを願っています」と訴えてきました。
本書には、近藤さんの講演録が収録されています。
宮城さんは、近藤さんの証言を授業に生かし継承する活動や、証言の意義などについて執筆し、18年間の生徒の感想文も掲載しています。
宮城さんは先月25日の出版記念会で、「元兵士は単なる加害者ではなく、被害者でもありました。若い人たちにもぜひ読んでほしい」と訴えました。