「原発からの撤退」を求める世論が大きく広がっています。同時に原発固執勢力の巻き返しも激しく、野田新首相は13日の所信表明演説で「定期点検中の原発は再稼働を進める」と発言しました。「原発ゼロ」の運動を前進させるためには、「原発なしで電力は不足しないのか」「他のエネルギーに転換できるのか」などの疑問にていねいに答え、子どもや食の安全、放射能汚染の不安解消など、広範な県民との一致点での運動を広げていくことが求められています。
「私も集めます」 署名行動に大きな期待
日本共産党愛知県委員会は10~11日、「原発撤退」行動を各地で取り組みました。
名古屋市北区の同党後援会が行った福井県の敦賀・美浜原発、もんじゅの視察ツアーにバス6台221人が参加しました。岡田ゆき子市議が持参した線量計で測った放射線量は名古屋の2倍。案内役の河内猛・元敦賀市議は「敦賀半島から原発をなくすためにがんばる」と訴えました。
東区のショッピングセンター前で行われた署名集めでは、年配の女性が「東北の娘と孫が名古屋に避難してきている」と署名。若い男性は「共産党のパンフレットが読みたい」と受け取りました。
港区では原発への賛否を意思表示するシール投票にとりくみ、参加した全員が「原発いらない」に投票しました。緑区の同党旭出支部員は300人以上の署名を集めています。
中川区の八熊支部は500人の後援会員を原発撤退に賛同する署名を求め訪問し、面接した全員が署名。熱田区では、同党の「原発からの撤退と自然エネルギーへの転換」の提言を持って中部電力の営業所などを訪問しました。
豊橋市の繁華街で行われた署名集めでは、中学生や高校生が将来の健康被害の不安を訴え、年配の男性も気軽に応じました。「本当に自然エネルギーで足りるの?」と質問してきた女性に共産党の政策を話すと真剣に聞き、対話がはずみました。
小牧市では小牧山のお月見祭りで宣伝。名鉄西春駅の署名では、通行人が「私も地域で集めます」と署名用紙を持ち帰りました。尾張旭市の同党旭西支部はセンターに署名の棒グラフを貼りだし、目標をめざしてがんばっています。
“食と放射能”語る くれまつ前名古屋市議
日本共産党の、くれまつ順子前名古屋市議(元東海コープ食品安全検査センター課長)は、放射能と食物の安全問題を語り、住民の不安に応えています。
今月3日には同党守山区後援会が学習会。くれまつさんは、いま出回っている牛乳、野菜や米は安全で、国と自治体に検査を強化させることの大切さを語り、こう訴えました。
「名古屋の人たちは食物よりむしろ、浜岡や福井の原発の危険性を認識すべきです。もし事故が起きたら、今度は私たちが放射能の被害を受けます。原発をなくすことは子どもたちの未来を守ることです」
原発事故で全村避難の福島県飯舘村から報告 佐藤村議 「全員被ばく悔しい」
名古屋市緑区の「平和と民主主義と暮らしを守る懇談会」は8月末、福島第1原発事故で全村避難となった福島県飯舘村の報告会を開きました。佐藤八郎・日本共産党村議の報告を紹介します。
飯舘村は、平成大合併の中でも住民投票と村長選で自立の道を選びました。75%が山林で米、野菜、花卉(き)、タバコが主要作物です。畜産も盛んです。
3月11日に東日本大震災と福島第1原発事故が起きました。山間部の飯舘村は翌12日、津波被害を受けた南相馬市、双葉町の住民を受け入れました。
この時点で国や東電から放射線漏出の情報はありませんでした。避難してきた人たちは原発事故で外部被ばくし、放射性物質で汚染された飯舘村の水や食物で2度目の被ばくをしました。私は、日本共産党の議員として大変くやしい思いです。
原発事故で、高濃度の放射性物質が雪とともに一気に降りました。空気も自由に吸えなくなり、私たちは全村避難に追い込まれました。
全村民が内部被ばく者で、「私たちが何をしたというのか」「線量が下がったら村に住めるのか」と、悔しい思いと不安をもちながら暮らしています。
内部被ばくの問題を多くの人に知ってもらいたいし、原子爆弾の被害を受けた広島、長崎の人たちとも連帯し、核兵器廃絶・原発ゼロをアピールしていきたいと思います。
今、毎日800人が村に通勤しています。家や農業機械を警備する地域見回り隊や、利用者が残されている特別養護老人ホームの職員です。食料や飲み水はすべて持参します。
見回り隊には国の緊急雇用創出基金を活用し、日当7000円が支給されますが、汚染地域で活動させるのですから、?人間を実験用のモルモットにするのか?と怒りが上がっています。
除染対策プロジェクトチームは立ち上がっているものの、ほとんど国の天下り団体。山林の除染は手付かずのままです。村の存続が問われています。
さよなら原発アクションinあいち 将来に危険残せない
「さようなら原発1000万人アクションinあいち」集会とパレードが19日、名古屋市中区の白川公園で開かれ、家族連れなど約2000人が参加しました。
パレードに先立って開かれた集会で、「原発に不安を抱えるママの会」の内田由紀子さんが、放射能の危険をアピールするポスターを作って全国に貸し出していることを報告しました。これらの反原発ポスターや、食べ物などの放射能汚染を表現した絵は会場内にも展示されていました。
3歳、2歳、0歳の子ども3人を連れて参加した女性(34)は「放射能汚染はやはり心配。子どもたちの将来に危険を残したくありません」と話していました。
反原発を訴えて、東京・霞ケ関の経済産業省前で10日間のハンガーストライキを行っている大学生から、携帯電話で「原発の負の遺産を背負わない」とのメッセージが生中継されました。
集会後、「すべての原発を止めましょう」「浜岡原発さようなら」と唱和しながら、中部電力本店前までパレードしました。
日本共産党から本村伸子県常任委員らが参加しました。