要求と運動で市当局動く
名古屋市瑞穂区で「せまく危ない橋を改善しよう」と、住民と日本共産党が共同して立ち上がっています。
きっかけは、日本共産党堀田穂波後援会が開いた2年前の「つどい」でした。講師として参加した山口清明名古屋市議に相談し、現地調査をして運動をスタートさせました。
都市再生機構(UR)堀田団地の近く、新堀川にかかる文斉(ぶんさい)橋は両岸にホームセンター、食品スーパーなどが立地し、近隣住民の生活道路となっています。この橋は、市の上下水道局が熱田水処理センター(下水処理場)への連絡路として1982年に建設したものです。
調査の後、堀田団地に住む同党後援会員らが「文斉橋を安心して歩いて買い物に行けるよう歩行者を守る橋の会」を結成。昨年1月に行った住民アンケートでは、「欄干に車が接触する」「車椅子が横を走る車に当たりそう」などの不安が寄せられました。
この声を要望書にまとめ、上下水道局長に1000人分以上の署名を届けると、同局は翌月、車両に注意を促す看板を設置しました。アンケート開始から、わずか1カ月間の成果でした。
しかし「看板が小さく車からは読めない」の声が。会はねばり強く局に改善を求め、この7月下旬には橋の入り口に「すれ違いできません」の大看板を設置させました。会員は「住民の切実な要求と運動があれば、行政は動かせる」と確信を深めています。
運動は続きます。局が設置した看板は交通標識のように強制力がなく、抜本的な安全対策とはならないからです。今後、土木事務所や警察署にも働きかけていく計画です。
同会の高柳五雄会長(84)は「歩行者専用橋にすることが理想ですが、新堀川にかかる橋が少なく、この橋が?抜け道?として利用されているのが現状です。せめて一方通行にして、通過車両を少なくしてもらいたい」と話しています。