愛知民報

【11.09.04】大村行革 くらしに大ナタ 財界が求めるインフラに集中

煙を吐きトンネルに入る子ども汽車。機関士が子どもたちに手を振る
 大村秀章知事のもとで愛知県の「行政改革」が、いのちや教育までも切り捨てる新たな段階に入っています。ねらいは、財政危機のなかで、財界の求める大型開発に集中投資するため、県民生活向け予算を徹底的に削減することです。

 大村知事は、中部国際空港の2本目滑走路や高速道路、トヨタテストコースなど、グローバル企業の産業社会基盤への集中投資のために県民生活を切り捨てます。県はこの秋に、46事業の廃止・見直しを検討します。

 その特徴は、「深掘り」と称して福祉医療や私学助成などは縮減。県営住宅家賃などの徴収強化、4月に発足させた滞納整理機構で、地方税の過酷な徴税を行います。

 芸術文化センターなどの運営を民間化する指定管理者導入、集会所や野外教育・スポーツ施設を廃止するなど、県民サービスを大きく切り捨てます。外郭団体の事業縮小や名古屋港の民営化も検討します。

福祉・防災こそ 日本共産党愛知県委員会・板倉正文県政対策委員の話

 県民が県に求めているのは、福祉と防災の愛知づくりです。大村県政の基本姿勢は、世界からヒト・カネ・モノを呼び込むことです。

 一方で県と自治体で税の「滞納整理機構」をつくり、県民を差押えで苦しめる。絶対に許せません。

 日本共産党が議席をもたない県議会は、知事の提案にすべて賛成するオール与党になっています。これを許さず、県民の怒りの声を集中し要求を実現しましょう。

愛知こどもの国 “ボクらの宝”なくさないで

 大村県政が廃止・見直しを検討する児童遊園「愛知こどもの国」(西尾市)。8月末の平日、利用者から「自然が豊かで子どもには宝の場所。絶対になくさないでほしい」の声が出ました。

 同園は1974年に開園し入園無料。運動広場、遊具広場、動物広場などがあり、100万平方メートルの広大な敷地を無料のランドトレインで移動します。人気の乗り物はゴーカート150円、こども汽車が幼児無料で中学生まで100円と安く、気軽に遊べます。

 子ども汽車は石炭を燃やす本物の蒸気機関車。煙を吐き“ボーッ”と汽笛を鳴らしながら、三河湾の眺めが良い場所やトンネルを走ります。

 子どもと30年ぶりに来た名古屋市の男性(36)は「1日中遊べて子どもも喜んでいる。年間維持費の4億円や遊具の修理代は、税金を子ども優先に使えば良いことだ」と話しました。

 3歳の娘と遊んでいた豊橋市の女性(39)は「他のレジャー施設は入場料が高く気軽に行けない。廃止でなくPRに力を入れることが大事では」といいました。