愛知民報

【11.08.28】戦争犯罪にむきあう 終戦66周年 「核」の被害者つくらない

歴史ゆがめる教科書でせめぎあいも

 
 第二次世界大戦終結から66年の8月15日を中心に、日本の侵略・戦争犯罪などに正面から向きあう取り組みが、各地で多彩に取り組まれました。

 とくに8月は、来年度から4年間使う中学校の歴史・公民教科書採択を巡り、全国で靖国派などが侵略戦争を美化する教科書採択を教育委員会に迫り、広範な市民が不採択を求めて積極的に運動しました。

 原水爆禁止世界大会では、核兵器禁止条約の交渉開始が国際政治の共同目標になり、原発ゼロとあわせ「核」による被害者をつくらない国際的運動が広がりました。

戦争犯罪、原発問うつどいも

 市民グループや40の平和団体は、20回目の「あいち・平和のための戦争展」を開き、旧日本軍の植民地児童の強制連行・強制労働、日本軍「慰安婦」など、旧日本軍の戦争犯罪を告発しました。

 戦争展の特別企画として、伊波洋一・前宜野湾市長も講演。伊波氏は、「民主党政権になっても米軍優先の姿勢は変わらない」と指摘し、大震災被災者の生活保障よりアメリカの利益を守る国のあり方を糾弾しました。

 マスコミ関係者と民主団体は?原発と平和、そしてマスコミ?をテーマに「平和を語る8月名古屋集会」を開催。「原発は核兵器開発、軍事技術と一体に発展した。マスメディアによって?原子力の平和利用?の名で原発を受容させ、核兵器開発も容認させる世論づくりが行われている」の指摘がありました。

共産党も訴え

 日本共産党愛知県委員会は15日、終戦66周年の宣伝に取り組みました。八田ひろ子県副委員長(元参院議員)と本村伸子常任委員は名古屋市でマイクを握り「再び戦争は起こさせません。核兵器全面禁止と原発からの撤退で、希望のもてる社会にしましょう」と訴えました。

「基地撤去ご一緒に」伊波洋一・前宜野湾市長が訴え

 伊波洋一・前宜野湾市長が14日に行った講演の一部を紹介します。

 日本政府はいつもアメリカ軍の機嫌を損なわないよう、顔色をうかがっています。

 政府は今、アメリカ兵の日本での生活支援のために、?思いやり予算?で年間1800億円、毎日5億円払っています。そして東日本大震災の直後に、さらに5年間、払い続けると約束しました。

 これだけのお金を復興予算に回せば、15万人の方々に毎月10万円の生活保証金を払うことができるのに、それは放置してです。

                ◇

 沖縄の基地が日本を守るために働いたことはありません。この基地は朝鮮、ベトナム、湾岸、イラン、アフガニスタンの戦争のために使われました。

 アメリカの海兵隊が沖縄や佐世保にいるのは、軍隊の維持費用を同盟国に負担させるためです。でも日本を守るのではなく、日本国民、沖縄県民に被害を与えながら、出かける先はアジア・太平洋地域です。そのことを国民に伝えない日本政府はおかしい。

                ◇

 日本はなぜ、自分たちの国土を戦場にするような、辺野古への基地づくりに協力するのでしょうか。

 沖縄県民の意思は、普天間基地返還、新しい基地はつくらせない点で一致しています。これを日本全体の意思にすることが、戦争を招かない大きな砦となります。日本で再び戦禍がないように、みなさんと一緒に頑張っていきたいと思います。