福島原発事故を受けて、日本共産党の「原発から撤退、浜岡原発は即時廃炉、エネルギー政策の転換」を求める提案が大きく注目されています。東海地震など巨大地震が予想され、近くに浜岡原発がある愛知県にとり“住民の死活問題”ともいえる重大課題です。
7月23日に浜岡原発の地元、静岡市内で行なわれた「ひまわり集会」には愛知県から1000人を超える人が参加。プラカードや横断幕を掲げて「原発なくそう」と唱和しながらパレードし、大きな注目を集めました。
同党愛知県委員会には励ましの電話も寄せられています。「共産党の国会での高い見識をもっての鋭い追及、特に原発問題の質問に老人クラブのみんなも感激している。私は建設関係の社長をしていて、最近まで自民党支持だったが、いま、政党でまともなのは共産党だけだ」
日本共産党の道理ある主張が議会を動かし、知立市、弥富市、東郷町、飛島村で、原子力発電推進中止・エネルギー政策転換を政府に求める意見書が可決されました。
愛知県委員会は今月から、毎月11日を「原発撤退署名全県統一行動デー」として、すべての支部に行動参加を呼びかけています。
原発撤退5つのワケ
?震源域の真上
東日本大地震の震源域は海底で、岩盤が7メートルも隆起する地殻変動が起きました。福島第1原発は、大津波前の地震で破壊されたことが、多くの専門家から指摘されています。浜岡原発は、東海地震の想定震源域の真上にあり、より危険です。
?想定の8倍
浜岡原発の想定地震規模はM(マグニチュード)8・4とされてきました。しかし東海・東南海・南海の3連動地震のケースでは、多くの学者が「M9以上を考えるべきだ」と指摘しています。M9はM8・4の8倍のエネルギーです。これまで言われた「この原発は固い岩盤の上にあるから大丈夫」という説明も成り立ちません。
?出力日本一
停止中の浜岡原発はどれも出力100万キロワット以上。なかでも5号機は138万キロワットと日本にある54の原発のうち最大です。
浜岡5号機は福島原発の2、3倍の出力で、重大事故時の被害は、福島よりもけた違いに深刻なものとなるでしょう。
?莫大な死の灰
いま開発されているどんな原発も、燃料のウランを燃やす過程で、莫大(ばくだい)な「死の灰」が生まれます。出力100万キロワットの原発が1年間につくる「死の灰」は、広島型原爆の1000発分です。
ところが「死の灰」はコントロールする方法がなく、閉じ込めておく以外にありません。しかしそれができないことは、スリーマイル、チェルノブイリ、福島と3回も経験しています。
?人と共存できず
原発事故で大量の放射性物質が外部に漏れ出たら、人類はこれをコントロールできません。原発は、被害を「空間的」「時間的」「社会的」に限定できないという「異質の危険」があります。
愛知県でもセシウムに汚染された牛肉が流通し、県民の不安が広がっています。汚染はいつまで続くかわからず子どもの健康被害が心配です。福島県では6自治体が丸ごと避難を強いられ、地域社会存続の危機です。
この危険をなくす方法は、原発そのものをなくすことだけです。
線量計使って住民と対話 共産党北西地区
日本共産党名古屋北西地区委員会は、線量計で放射線量を測りながら、原発撤退署名・宣伝に取り組んでいます。
7月末に北区で開かれた夏祭り会場前では、解説パネルも並べて署名を訴えました。同地区では今後も各地の土や雨水の放射線を測る計画です。