日本共産党は7月3、4の両日に開いた第3回中央委員会総会で、来年7月15日の創立90周年をめざす「党勢拡大大運動」を決定しました。その意義を、同党愛知県委員会の柏木啓韶(ひろあき)書記長に聞きました。
大運動の目標
?全国2万余のすべての党支部で、新しい党員を必ず迎える。
党の世代的継承のためにも職場と青年・学生の入党に特別の手だてをとる。
愛知県では1500人の党員を迎える。
?「しんぶん赤旗」読者を毎月着実に前進させる。
21世紀と展望しロマンあふれる大運動に
――13カ月間の大運動ですね。
柏木 目標達成には毎月の前進が必要ですが、とくに最初が決定的に重要です。7月は全国の入党決意者は1100人近くで昨年春の25回党大会以来、最高でした。愛知でも65人が決意されました。
「しんぶん赤旗」読者は、経営危機にある日刊紙で全国で5カ月ぶりに850人増えました。日曜版は残念ながらわずかに後退しました。取り組みがまだ一部の人にとどまっており、抜本的に広げることが課題です。
――どうしてこの時期に、大運動が提起されたのでしょうか。
柏木 財界・支配層は、共産党を国民の選択肢の外に置くために?最後の反共シフト?として「政権選択・2大政党論」を、マスコミも総動員して国民に押し付けました。ところが、2年前に政権交代が起こりましたが、その途端にほころびが広がり、多くの国民が「2大政党」と民主党政権に失望と怒りを感じています。
国民はいま、東日本大震災・福島第1原発の事故という実体験を通して、急速に「2大政党」政治とは違う新しい道を探求しはじめています。
とくに大震災被災者の救援と復興、原発撤退という日本共産党の活動や提言に接した人々から、「共産党の主張にこそ真実があるのではないか」という声が広がっています。
兵庫県医師会長は医師政治連盟の総会で「ある野党は原発反対を主張し続けてきたが、我々はイデオロギーを理由に意見を聞いてこなかった。その反省に立って今後は党派を超えて共に行動できる議員を育て…」と挨拶しました。まさに新たな探求の中で、共産党との響きあいが急速に広がっています。
――ダイナミックな変化が現れていると。国民と結びついた大きな党を情勢が求めているわけですね。
柏木 そうです。こうした情勢の特徴について、党中央は「国民が政治の閉塞を打開する展望をつかむならば、日本の政治は大きく変わる。客観的には変わる歴史的前夜にある」と解明しました。
日本共産党の立場は「国民こそ主人公」につきます。社会進歩のすべての過程・段階は国民自身の政治的認識と行動によってつくられます。
私たちは、党の結論を押しつけず、国民の皆さんと一緒に活動し共感を広げ、国民の探求と認識の発展を促進する立場で活動しています。
――社会変革といいますか、ロマンを感じます。
柏木 共産党員と後援会員は「選挙に勝ちたい」「党を大きく強くしたい」という切実な思いがあります。同時にそれは、政治を変えたいと思っている国民の皆さんへの私たち責務でもあります。
運動の最も重要な柱は、すべての党支部が入党者を迎えることです。現在、様々な事情で思うように活動できない支部もあるので、県委員会や地区委員会の親身で系統的な援助、指導が必要です。つまり大運動は、党全体の質的向上と一体のものです。
3中総決定は「党勢拡大の力で選挙に勝ち、その力でさらに党勢を拡大する『好循環』をつくろう」と呼びかけました。大運動を21世紀に民主的日本をきづくロマンと展望あふれる活動にしたいと思います。
目標のために、党員の奮闘、「愛知民報」読者のみなさんのご協力を呼びかけます。
7月の党勢拡大 2地区で党員目標達成
日本共産党の党勢拡大大運動で、愛知県では7月、貴重な経験を生み出しました。
尾張中部地区委員会は党員11人を増やしました。春日井市では「浜岡原発を廃炉に」静岡集会に参加した女性が入党。20歳の女子学生は、東日本大震災の共産党の救援活動に心を打たれ「自分も何かしなくては」と入党を決意しました。
西三河地区委員会は、7月の刈谷市議選を応援した人、浜岡原発廃炉の静岡集会や党の「つどい」に参加した人など10人を党に迎えました。宮本昭委員長は「党の3中総決定を討議し、市田忠義書記局長が訴えたDVDを学んだ支部が、牽引車の役割を果たしている」と言います。
「しんぶん赤旗」読者を、日刊紙でも日曜版でも前進させた名古屋南西地区委員会の梅村政年委員長は「これまで足を踏み出せなかった人が、党の3中総決定を学んだ直後に読者を増やした。この経験を大きく広げたい」と力説しました。