税率アップ際限なく
政府・与党は6月30日、社会保障改革検討本部(本部長・菅直人首相)の会合を開き、「社会保障・税一体改革成案」で、消費税10%(現在5%)に増税する方針を打ち出しました。
その内容は「2010年代半ばまで」に増税するとし、「社会保障給付に要する公費負担の費用は、消費税収を主要な財源として確保する」としています。
社会保障の財源を消費税でまかなうとすれば、消費税率は際限なくアップしていきます。
福祉ばっさり
「社会保障との一体改革」と言いながら、提起されている内容は社会保障をばっさり切り捨てるものです。
医療費の窓口負担の引き上げ、年金の支給開始年齢の先延ばし、生活保護水準の引き下げなど社会保障改悪が目白押しです。
中小企業直撃
消費税増税は、東日本大震災で被災し、仕事も財産も失った人にも負担増となります。
大震災の影響で、東北地方からの部品調達が滞り、生産低下となった愛知県内の自動車関連の下請け企業の業績悪化は深刻です。
刈谷市の自動車部品会社の経営者は「10年間で下請け単価が3割下がった。震災で受注が減っている。消費税が10%になっても親会社が単価を上げてくれるわけではない。増税は絶対反対」と怒っています。
半田市の衣料品店主は「2003年に消費税の課税業者の免税点が売上げ1000万円に引き下げられ、自分の店も対象になったが、消費税を自分で負担している。増税になったらお客さんに転嫁しないと店がつぶれる」といいます。
財源はある
消費税をやめさせる愛知連絡会は11日、名古屋市中区で消費税増税反対の宣伝署名行動をおこないました。
同会の豊田宏事務局長は「消費税に頼らなくても社会保障や震災復興の財源はあります。軍事費削減や大企業の内部留保の活用で十分できます」と訴えました。
買い物帰りの女性(67)は「増税しても福祉がよくならないなら問題です」と署名しました。