中部国際空港の利用不振が続くなかで空港へのアクセス道路の新設計画が進められています。愛知県は東海市から常滑市にいたる、西知多道路(19キロメートル)整備方針を関係自治体に通知しました。新たなアクセス道路の必要性に疑問の声も出ています。
拡幅、延長
県の整備方針によると西知多道路は西知多産業道路(国道247号バイパス、東海市~知多市)を拡幅、延長して建設されます。東海市から知多市までの北部区間は現行の4車線を6車線に拡幅、知多市から常滑市まで南部区間は新たに用地を取得し、4車線の道路を建設します。
建設費は北部区間で約600億円、南部区間は用地取得金を含めて約900億円、計約1500億円を見込んでいます。
空港は低迷
中部国際空港は2005年の愛知万博閉幕後、旅客、貨物ともに低迷。2010年度の旅客数は約921万人。05年度より約314万人減少しています。貨物取扱量も約14万7000トンで、05年度の半分に過ぎません。
空港利用低迷にともない中部国際空港への自動車通行量も減っています。
小型機就航
大型機時代への対応を目的に建設された中部国際空港に1日、開港以来初めての小型ジェット旅客機による定期航空路線が開設されました。
中部国際空港株式会社は、小型機に対応した駐機場などの改修を行ないました。今年4月から2年間、着陸料を2割に割り引いています。
開港時は「ハブ空港、県営名古屋空港は小型機専用のコミューター空港」とうたわれていましたが、その“住み分け”もあいまいになりつつあります。
財界の要請
西知多道路は、物流機能拡充を目指す財界の要請に応えるものといえます。愛知県と沿線自治体、中部財界は09年、国に対して整備促進、早期事業化を求める要望書を提出しています。
日本共産党の中平ますみ知多市議は「市も県と同様あくまで計画推進の立場です。議員団として議会でも反対していきます」と話しています。
空港アクセス道路を新設する根拠はありません。