深刻な中小企業
日本共産党豊田市議団が市に求め、震災後に実施(5月26日~6月3日)した中小企業の景気調査がまとまり6月議会で報告されました。
「11年前期の業績見通し」について「悪化」と答えた企業が74%にのぼっています。
5割以上が「明るい見通し」と答えた昨年後期の調査結果から一転しています。
自動車産業を直撃
愛知県が県内の経済状況を年4回まとめて報告する四季報の今年1~3月期報告によると、愛知の景気は「東日本大震災の影響により、足元は悪化している」と見ています。
景気動向を反映する鉱工業生産指数は、前月比で2010年11月から4カ月連続上昇しましたが、東日本大震災の影響から3月は大幅に減少しました。
特に東北地方の部品メーカーが被災し、部品供給が滞った自動車産業の生産が急激に落ち込みました。
電気機械、一般機械、鉄鋼業も前月比で低下しましたが、震災の影響が比較的少ないとみられる繊維は上昇しました。
愛知県は「震災復興が進むにともない生産が持ち直していき、緩やかな回復にむかう」と見ています。
求人減、派遣切り
愛知労働局が6月に発表した、県内の有効求人倍率は、17カ月ぶりに前月を下回る0・81倍でした。
新規求人倍率は1・19倍で、3カ月連続で前月を下回りました。一方で求職者は前月より0・7%増加しました。
同局が発表した愛知県内の非正規労働者の解雇・雇い止めも増加しています。
今年1月の離職者数は334人でしたが、震災後の3月は1199人。3・6倍に急増しています。4月643人、5月450人、6月692人と派遣切りが続いています。
同局の担当者は「4月以降、東日本大震災の影響が自動車産業を中心に出てきた」と話しています。
廃業しかない
名古屋市南区の自動車部品の下請け会社の経営者は「リーマンショックの苦境を何とか乗り切ったが、今回は震災以降、ほとんど仕事がない。このままだと5人の従業員を解雇して廃業しかない」と話しています。
知立市の家具店の店主は「自粛ムードでお客の買い控えが続き、売り上げが半減した」といいました。
刈谷市の板金工場の経営者は「震災後、資材が入らず困っている。機械は多くあるが1日数台しか稼働していない。このままでは機械購入時の借金が返せない」と語ります。
共産党が支援策提起
日本共産党は中小企業の支援策として▽大企業と大企業の公正な取引を保障のルールをつくる▽本格的な中小企業振興策をすすめる▽中小企業支援の税制と社会保障の仕組みをつくる▽中小企業憲章と中小企業振興条例の制定▽「日本の宝」の町工場を守るため、固定費補助なども緊急・直接支援をおこなう―などを提起しています。