ハウスの泥だし
記者は6日、宮城県南部の亘理(わたり)町で、日本共産党の救援ボランティアとともに、同町特産のイチゴのビニールハウスの泥出し作業に参加しました。
この農家ではトラクターなど農業機械が水没。庭の井戸からは塩水が出る状態でした。ハウス内は津波が運んだ多量のヘドロに覆いつくされていました。
記者は汗だくになって畑の畝にこびりついたヘドロをスコップで削り落としました。
訪問したお宅の小野たかさん(66)は「出荷直前のイチゴ3000箱が被害を受けました。仕事をする気が失せていましたが、共産党のみなさんの支援のおかげで復旧する意欲がわきました」と話していました。
田畑に廃車
作業後、記者は同県南部の亘理町、山元町、岩沼市、名取市を見て回りました。津波を受けバスで代行運転されている、JR常磐線浜吉田、山下両駅周辺では、民家や店舗はほぼ壊滅状態。ブロック塀は倒れ、建物の壁も抜けてしまっています。田畑には廃車体が放置されたままでした。
岩沼市の海岸堤防が大きく損壊。堤防の上によじ登ってみました。目の前は太平洋。この海の水が堤防を越えてきたのかと思うと、身が縮む思いでした。
海岸沿いに北上して名取市内に向かおうと思いましたが、海岸道路は通行止めでした。
復旧に懸命
仙台空港(名取市)周辺では工場や倉庫で復旧に向けて懸命に作業中。空港滑走路とターミナルビルは復旧していたものの、ビルの1階部分は閉鎖されていました。
仙台空港鉄道も滑走路の下をくぐるトンネルが水没したため不通。高架の仙台空港駅には身動きが取れなくなった列車が止まっていました。
仙台港(仙台市宮城野区)のフェリーターミナルでは、やっとフェリーが運航再開。しかし、ふ頭や路上には多くの廃車体が残されており、傷跡の大きさを実感しました。
東北の人たちは復旧・復興に向けて全力で動いています。被害の甚大さにショックを受けると同時に、現地の人たちの頑張りに、励まされる取材でした。このルポが、地元、愛知県での防災に少しでも役立てればと思います。
(村瀬和弘)