愛知民報

【11.06.26】原発撤退 自然エネルギーへ 住宅用太陽光パネル設置 補助申請急増

 東京電力の福島原発事故や中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の運転停止を契機に、風力や太陽光発電など自然エネルギーへの関心が高まっています。なかでも住宅用太陽光発電に注目が集まっています。

設置費助成

 太陽光発電のためのパネル設置費用は1キロワット(kW)当たり平均50万円。100平方メートル(約30坪)で4人家族が生活するには平均4kW必要。4kWの太陽光発電パネルの設置費用は約200万円です。

 国と自治体は住宅用太陽光発電の助成制度を実施しています。

 今年4月1日現在、国が1kW当り4万8千円(4kWまで)を助成。市町村が上乗せ助成を実施。1kW当たり飛島村10万円(4kWまで)、安城市、碧南市7万円(4kWまで)、名古屋市4万8千円(10 kWまで)など48市町村が助成を実施しています。

助成枠拡大を

 今年4月から各市町村は今年度の助成申請受付けを始めましたが、申し込みが殺到。締め切る事態になっています。日進市は助成枠50件で4月8日から申請を受付け、5月上旬に枠いっぱいになりました。

 日本共産党は助成金増額や対象枠の拡大を要求しています。豊明市の前山美恵子議員は6月議会で「助成予算160万円、対象世帯20戸は近隣自治体と比べても低い。増額を」と市に求めました。

売電で経済的

 
 名古屋市千種区の西田静郎さんは13年前に5・2kWの太陽光発電を設置しました。
 1カ月の総発電量は平均440kW。自宅で使用した残りの電力(月平均300kW)は中部電力に1kW当たり48円で売ります。

 西田さんは「月に1万数千円を中電に売ります。助成制度を利用すれば設置費は200万円程度。10数年で設置費は回収できます」と話しています。

最新エネルギーセンター 発電機器を展示

 
 愛知県は2009年2月に常滑市りんくう町(空港対岸部・前島)に開設した「あいち臨空新エネルギー実証研究エリア」の見学者が増えています。

 この施設は、次世代の成長産業として期待される環境・エネルギー産業の振興をはかる研究拠点です。通常の太陽電池のほかに、凸レンズで光を集める集光型太陽光発電プラント、小型風力発電装置、木くずなどのバイオマス燃料を使ったスターリングエンジンで発電する装置、都市ガスに含まれる水素を使った燃料電池システムなどの新エネルギー関連機器を展示しています。

 4種類の太陽光発電システムで起こされた電力は、隣接する常滑浄化センター(下水処理場)に送られ利用されています。