5月6日、菅直人首相は、近い将来に発生が予想される東海地震の想定震源域の上にある中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の運転停止を中部電力に要請。同社は9日、浜岡原発の全ての原子炉の運転停止を受け入れることを決定し、発電が停止されました。同原発の永久停止、廃炉を求める世論が広がっています。
日本共産党 中部電力に申し入れ
今回の停止は、防波壁の建設や原子炉建屋の補強工事といった、地震津波対策が終わるまでで、2~3年間と見られています。
浜岡原発は愛知県境から約60キロメートル。東海道新幹線や東名高速道路といった日本の東西を結ぶ物流の大動脈が近くを走っています。事故が起これば重大災害が懸念されています。
日本共産党愛知県委員会は11日、中部電力に、一時停止にとどめず、永久停止し廃炉にすること、原発からの撤退、自然エネルギーへの転換を申し入れました。
同県委員会は愛知県の大村秀章知事にも、浜岡原発の永久停止、老朽化している敦賀原子力発電所(福井県敦賀市)と美浜原子力発電所(同美浜町)の「延命」中止を電力会社に求めるよう申し入れました。
愛知県から100キロ圏内にある敦賀、美浜の両原発は、過去に死傷者が出る事故が発生しています。敦賀市には毒性の強いプルトニウムを燃料とする高速増殖炉「もんじゅ」が立地しています。
浜岡原発の停止で、大村知事は産業界への影響を懸念していますが、中電には、休止している火力発電所を稼動させれば、ピーク時でも100万キロワットの供給余力があります。
浜岡原発は2009年8月11日に起きた駿河湾地震の影響から2カ月近く全炉が営業運転を停止しましたが停電はありませんでした。中電は「火力、水力でカバーした」と説明しています。
市民が中電にアピールデモ 「卒原発」パレード
愛知では市民の間で、「原発被害を広げるな」と集会や学習会など、多彩な行動が広がり始めています。
名古屋市内では8日、若い母親や学生たちが中部電力本店周辺を練り歩くパレードを行ないました。約1500人が参加。中部電力に対して浜岡原発の即時停止・廃炉、自然エネルギーへの転換、将来的な原発からの撤退をアピールしました。
原子力発電の問題点や日本で原子力発電所の建設が進められてきた歴史を学ぶ機運も高まっています。
原発問題愛知県連絡センターは3月26日、福島第一原発事故の緊急学習会を開き、170人が参加しました。
安保破棄・諸要求貫徹愛知県実行委員会は19日、名古屋市内で「原子力発電と安保条約」をテーマに学習会を開きました。
日本共産党の地域後援会でも学習会が取り組まれています。名古屋市東区の後援会は15日に学習会を開きました。
放射能不安 浜岡から75km 安間寛子豊川市議
豊川市は浜岡原発から直線距離で75キロメートルしか離れておらず、市民の関心は非常に大きいものがあります。
特に子育て中の若いお母さんから党議員団に対し「放射能汚染が心配です。原発反対の運動をやってほしい」と要望が寄せられています。
浜岡原発永久停止、エネルギー政策の転換を求めていきます。