“戦後最大の国難”と言われる東日本大震災の救援・復興を通じて新しい社会づくりをめざす愛知県民の運動がはじまっています。一方、財界や政界の一部からは震災復興を口実に、大企業中心の「構造改革」推進や消費税増税、改憲をねらう動向が出ています。5月連休をはさんだ県民の取り組みを紹介します。
働く者の連帯で
今年のメーデーは「大震災救援・復興支援メーデー」。愛知では1日、県下7カ所で集会と、パレードが行われました。
愛知県中央メーデーで、榑松佐一愛知県労働組合総連合議長は、みずから被災地に灯油を届けたことに触れ、大企業がため込んだ内部留保を復興財源に活用するよう呼びかけました。
NPO法人レスキューストックヤードの栗田暢之代表理事、岩中正巳日本共産党愛知県委員長らも被災地救援の決意を語りました。
パレードでは福島原子力発電所の模型をかつ
いだ放射線防護服を着た参加者の姿が沿道の目を引きました。
憲法の原則いかす
憲法記念日の3日、名古屋市公会堂で、愛知憲法会議が「憲法施行64周年記念市民のつどい」を開き、会場いっぱいの2000人が集まりました。
主催者あいさつで本秀紀名古屋大学教授は、生存権を定めた憲法25条を生かすことが大震災復興の足がかりだと強調。“非常時”を口実に「非常事態条項」を盛り込む改憲論が浮上していることに警戒を呼びかけました。
愛知県平和委員会青年・学生部は3日、名古屋市中村区の名古屋駅前で「憲法アンケート」をおこないました。
「憲法9条は変えるべきではない」が54・6%と、「変えるべき」の10・9%を大きく上回りました。
アンケートに答えた幼稚園教諭(25)は「戦争には反対。日本がアメリカの戦争に協力するなんてとんでもない」と話していました。
原発・エネルギー政策転換を
4月24日に投開票された衆院愛知6区補欠選挙で、原発危機の対応が争点になりました。
日本共産党の河江明美候補の中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)即時停止の訴えが注目されました。
4月29日、電力労働者らが名古屋市内で原発事故を考える講演会を開き、「安全神話」からの脱却や浜岡原発の即時停止、エネルギー政策の転換などの意見がでました。
1986年に旧ソ連のウクライナで起きたチェルノブイリ原発事故を記録した写真展が名古屋市内で開かれました。
こうした動きのなか、菅首相は6日、浜岡原発の原子炉停止を中部電力に要請しました。
消費税増税許さない
震災復興の財源として、消費税増税の動きがでています。これにたいし、「復興を口実にした増税は許さない」と消費税増税反対の声が上がっています。
消費税をなくす愛知の会の大島良満代表は「消費税は被害が多い人ほど税負担が増えます。被災者から税金を取ること自体がおかしい。所得税は確定申告で雑損控除、災害減免を適用して税額を減らすことができます」と怒ります。
消費税をなくす全国の会は、11日に国会内で学習会を含めた決起集会を開きます。6月には愛知県でも集会が検討されています。
日本共産党は3月31日、大企業・大資産家減税の中止など2011年度予算を抜本的に組み替える提言を発表しました。
福祉・防災のまちづくり
「福祉・防災のまちづくり」は、地方選挙での日本共産党の最大公約。地域防災計画や津波・避難対策の見直し・強化、消防力の増強などを訴えました。
名古屋市議会3月定例会で、日本共産党市議団は地域防災計画の見直しや耐震改修助成の拡充を求め、木造住宅耐震改修助成を30万円上乗せし90万円にする施策が継続されることになりました。
地方選後半戦で当選した市町村議員も、街頭演説で防災強化・福祉充実に取り組む決意を表明しました。