愛知民報

【11.03.20】名古屋港 高潮防波堤 大地震で最大2・74メートル沈下 津波防止に改修必要

 
 東北地方太平洋沖地震では、津波が沿岸地域に壊滅的な被害を与えています。
 
 駿河湾沖から紀伊半島沖を震源とする東海地震・東南海地震でも愛知県沿岸部への津波が予測されています。 

 津波防止の役割が期待される名古屋港の高潮防波堤ですが、巨大地震の際、地盤の液状化で沈下し、津波の進入を防げないおそれがあります。

 1959年の伊勢湾台風は、名古屋港の満潮時と重なり、津波のような高潮を発生。名古屋南部地域で多数の人命が失われる大水害となりました。台風の高潮を防ぐ目的で建設されたのが高潮防波堤です。

 2009年6月10日の名古屋港管理組合議会で、日本共産党の山口清明議員(名古屋市議)が高潮防波堤の沈下問題をとりあげ、堤防のかさ上げなどの改修を迫りました。

 同議員は、阪神大震災後の03年の同議会で名古屋港の防波堤の耐震診断を要求。06年に国土交通省が同港の高潮防波堤の地盤調査を実施しました。

 調査結果は、高潮防波堤の東側部分にあたる知多堤(写真)は、大地震の際に起きる堤防地盤の液状化で0・3?から最大2・74?沈下する可能性があると予測しています。
国交省の予測は東南海・東海・南海地震の複合発生の場合などマグニチュード8台を想定しています。今回の東北大地震はそれを上回る9でした。予測の見直しが求められています。