愛知民報

【11.03.06】名古屋市議選 各党の動向と政策

 自公政権に代わった民主党政権への失望と国民の閉塞感が広がり、民主・自民「二大政党」の支持基盤が激しく流動化するなか、4日に告示された名古屋市議選は、4月のいっせい地方選挙や国政選挙、「政界再編」に影響する政治戦として全国から注目されています。河村市長は大村知事と一体で「減税」をテコに公的福祉解体と大型開発推進の構え。同市長の減税日本は議会過半数をねらい、民主・自民・公明は河村市長への傾斜を強め、河村「オール与党」市政に近づいています。日本共産党は河村市政の暴走をおさえ、市民要求を実現する同党の重要な役割を訴えています。名古屋市議選をめぐる各党の動向と政策を見てみました。

民主党

 「民主党の看板ではたたかえない」と候補者から悲鳴がでています。それだけに必死の取り組みです。
 市長選で河村市長と「対決」しましたが、市政運営の路線は同市長と同じ「地域主権改革」。市立病院の民間売却、保育・福祉施設の民営化など、福祉を民間まかせにする政策です。
 議会改革は、民意削減の定数削減や議会のチェック機能を弱める議会内閣制の導入。河村市長の中京都構想を「名古屋解体」と批判しましたが、道州制導入・自治体広域化で大型開発を推進する方向は同じです。

自民党

自民党も改憲・新自由主義路線は河村市長と同じ。中部空港2本目滑走路、高速道路、徳山ダム導水路、高層ビル建設など、財界の要求に応えるインフラ・基盤整備推進です。
 産業政策の中心は企業立地支援。地元中小企業・業者は置き去りです。昨年秋の市議会では、同市長の大企業・金持ち減税の恒久化条例案に賛成しました。

公明党

公明党は、昨年の市議会では政務調査費の使途拡大を条件に河村市長の議員報酬半減条例案に賛成し、知事選・市長選では大村・河村連合を応援しました。
 同党は県・市合体の中京都構想に歩調を合わせるかのように名古屋市内の県議定数33から16への半減案を出しました。県政を市民から遠ざける改悪です。

みんなの党

みんなの党の市議選政策は、市議報酬3割削減、市バス・水道局民営化、幼保一元化の「こども園」創設、道州制導入と広域インフラ整備の推進、市独自のエコカー減税でトヨタ支援など。議会・官僚批判で市民を引きつけ、自治体民営化と大型開発推進、大企業支援の強化です。

減税日本

減税日本は、河村市長の「庶民革命」を全国に拡大し国政に攻めのぼる突撃部隊。
 市議選政策は、河村市長の「減税恒久化・地域委員会全市拡大・議員報酬半減」だけ。候補者は「減税こそが庶民革命の起爆力」「庶民革命の先兵」という「宣誓書」を同市長に提出しています。
 「庶民革命」の実態は、大企業・大資産家が得する市民税10%減税による減収をテコに福祉を民間に放り投げる「行革」を強行。ひねり出した財源を県・市一体で大企業誘致のインフラ整備に集中するものです。

日本共産党

河村・減税日本と民主、自民、公明などの政策の基本は同じです。これに対決するのが日本共産党です。
 日本共産党は「閉塞打破の展望を示す行動の党」をアピール。国民健康保険料1人年1万円引き下げ、特別養護老人ホーム・認可保育所の増設、住宅リフォーム助成など、生活・営業支援の政策をかかげています。
 議会改革は、議員費用弁償の廃止、政務調査費領収書全面公開を実現した実績をふまえ、報酬半減、ムダな海外視察の中止を主張。
 暮らしの痛みを市政に届け、市長の暴走阻止をと訴えています。