昨年11月 半減協議をよびかけ
名古屋市会議員の報酬月額は現在79万円ですが、これは4月末までの特例。報酬条例に定められた月額は99万円です。日本共産党は条例額の半減を主張しています。
1970年代の名古屋市議の報酬は月額50万円台でした。日本共産党を除く「オール与党」市政になった80年代半ばから急上昇。97年の改定で過去最高額の101万円に達しました。報酬引き上げは「オール与党」が推進。日本共産党は反対しました(別表)。
景気悪化や財政難で、97年に99万円に条例額が下がりました。その後、特例として数度引き下げられ、昨年11月から支給額は79万円に。しかし、条例報酬額は99万円のまま。
市民の所得低下が続くなか、日本共産党は昨年6月に報酬の条例額引き下げに向けた市民参加・公開の第3者機関設置条例案を提出しました。民主・自民・公明の反対で、この条例案は否決されましたが、引き下げの流れを加速させました。
日本共産党名古屋市議団は昨年11月、議会の全会派に報酬半減を含む引き下げの協議を呼びかけました。
同年の11月定例市議会は、無作為抽出と公募の市民各5人が参加する全国初の報酬検討会議の設置を決定。現在、公明党、民主党も報酬半減を容認する態度を見せています。
二元代表制 破壊か、活用か
高額報酬に反対してきた日本共産党が、なぜ河村市長の半減条例案に反対したのか。わしの恵子同党市議団長(当時)は市議会でこう発言しました。
「半減の金額に反対したのでありません。市長の押しつけは憲法原則の二元代表制の破壊につながるからです」
憲法と地方自治法は、市長と議員の双方を住民代表とする二元代表制を定め、市長には強大な行政執行権、議会には行政監視権と議決権を与え、お互いの暴走を抑制する仕組みをとっています。
ところが、河村市長は二元代表制を「立法ミス」と否定。「報酬・定数半減」を旗印に、議会を支配しようとしています。
これに対し、日本共産党は二元代表制を活かす立場から市長の押しつけに反対し、議会が自主的に報酬引き下げに踏み切るよう努力しています。