障害者手帳なくても
確定申告の受付が今月16日から始まりました。要介護認定者の所得税・住民税の障害者控除を知っていますか。
介護保険の要介護の人は障害者手帳がなくても、市町村長などが「障害の程度が障がい者に準ずる者」と認定すれば障害者控除を受けられます。これを活用して税金が減った人が増えています。
控除増加のきっかけは、障がい者の税負担軽減に取り組んできた日本共産党の佐々木憲昭衆院議員の国会質問でした。
佐々木議員は2007年2月の国会で、政府に「障害者手帳がなくても福祉事務所等が『障害が生じている』と判断すれば障害者控除の対象者と認定すべき」と迫り、尾見幸次財務相(当時)が「要介護認定も判断のひとつ」と答弁。それ以降、介護保険の要介護者への障害者控除適用が広がっています。
市町村で違い
障害者控除の県内の認定件数は07年1万3853件、08年1万8544件、09年2万2712件と毎年増加しています。
寝たきりや認知症の人しか認めない市町村がある一方で、要介護度1以上の要介護認定者を対象としている市町村があるなど対応に違いがあります。
運動の成果
日本共産党の市町村議員は、制度の周知徹底を自治体に求めるとともに、介護関係や障がい者の団体と協力して認定条件の緩和に取り組んできました。
認定書発行数が最多の一宮市では、同党市議団(いたくら正文団長)が議会で制度の積極的運用を求め、市は08年から認定条件を要介護度1以上にしました。市は条件を満たす対象者全員に認定書を送付しています。同市議団に「税金が減って助かりました」とお礼の手紙が届いています。
09年に認定書発行が大幅に増加した岩倉、日進両市も09年から対象者全員に認定書を送付するように改善しました。知立市、稲沢市、扶桑町、阿久比町、東浦町、豊根村でも同様に送付しています。
一方、08年度の介護保険要介護度4と5の高齢者が1万6千人以上いる名古屋市の09年の認定書発行は1338件。重度の要介護者の1割もありません。名古屋市が発行条件を主治医の意見書添付など条件を厳しくしているからです。改善が求められます。