名古屋市長選挙に立候補する河村たかし市長と石田芳弘氏の政策の基本はよく似ている。
議会の形がい化
市長と議員がどちらも住民から直接選挙され、チェックしあうというのが二元代表制であるが、河村・石田両氏は、議会の弱体化と市長の強権化、二元代表制の変更という方向は同じである。
石田氏は、市長の執行機関に議員を取りこむ議会内閣制を主張する。この制度は議会の機能不全と市長の独裁化が指摘されている。石田氏は、改憲と一元代表制の採用も視野に入れる。
河村氏は二元代表制を「ミス」と攻撃し、市長の強権化をはかる。制度としてはやはり議会内閣制だ。
福祉の企業化
自治体行政の企業化、公共サービスの市場化も共通である。
バウチャー(無料サービス券)をテコに、公共サービス分野への企業参入を自由化する。河村氏は「子育てバウチャーの配布」、石田氏は基本方針に、医療、介護・福祉、子育て分野での「無料サービス券」導入をうたい、「制度外サービス」を強調する。
自治体の責務である住民の生存権保障を弱め、公共サービスを営利化する道である。
大型開発の推進
財界が要求する大型開発事業や行政広域化を推進する点でも両者は共通している。
中部国際空港2本目滑走路、国際戦略港湾整備、高速道路建設など大型開発事業と道州制である。
福祉推進の市政に
民主・自民・公明の「オール与党」市政でゆがめられた名古屋市政を「住民福祉の機関」として立て直す道は、八田ひろ子さんと市民との共同を大きく広げることである。
(林信敏)