河村市長の独裁化につながる
名古屋市議会の解散請求(リコール)が成立し、2月6日に解散の賛否を問う住民投票がおこなわれます。日本共産党愛知県委員会は12月17日、解散に「反対」する声明を発表しました。
解散請求の理由 | 理由の問題点 | 日本共産党の対策 |
市民税10%減税継続 | 今年度実施の市民税10%減税は「金持ちはゼロ」の公約に反する大企業・金持ち優遇減税。継続は所得格差拡大、福祉削減に。 | 低・中所得層に厚い庶民減税を提。公約違反の大企業・金持ち減税分を弱者支援・福祉充実、中小企業支援に |
地域委員会継続 | 今年度8地域でモデル実施。市の「地域委員会研究会」は多数の問題点を指摘し、「制度の見直し」を提案。継続の前に、制度の市民的検討が必要。 | 地域委員会を住民自治の仕組みとして生かすためには、まず制度の検討と改善、住民合意が必要。 |
議員報酬半減 | 市長の半減案は議員活動費の公費負担の拡大とセット。議会は報酬検討のため第3者機関の設置を決定。 | 半減ふくむ議員報酬引き下げを提唱。報酬見直しへ第3者機関設置を提案し実現。 |
同党は、「政治を変えたい」「議会はもっと市民のために働いてほしい」という市民の思いを受けとめ、市政改革に全力をあげる決意を表明しています。
そのうえで、河村市長の支援団体が主張する議会解散の3つの理由には道理がないと述べています。
今年度実施された「市民税10%減税」は公約違反の大企業・金持ち減税であり、市立病院廃止など市民サービスを後退させたと指摘。継続は、市民犠牲の拡大につながります。
「地域委員会」はモデル事業の検証段階。継続を押しつけるのではなく、制度の見直しが必要です。
議員報酬については、共産党が報酬半減を市議会各派に呼びかけ、11月議会で報酬検討の第3者機関設置が決定されました。議会の自主的改革を促進することが本筋です。
政策論争は、もともと予定されている4月の名古屋市議選でできることです。
河村市長が議会解散運動をおこした目的は、出直し市議選で河村新党「減税日本」に議会過半数をとらせ、市長の独裁的な強権体制をつくること。
同市長は、知事選に出る大村秀章・自民党衆議院議員と連携。市長を辞職し県知事選と同時の市長選挙に再出馬。大村・河村連合で県・市政を握り、名古屋市解体の「中京都」構想をすすめようとしています。
日本共産党は、民主政治と地方自治を破壊する議会解散に反対する態度です。
トリプル投票 解散で6億4000万円増
「選挙費用はどうなるの?」――。河村たかし名古屋市長の辞職と出直し市長選、議会解散の賛否を問う住民投票と出直し市議選がおこなわれる場合、名古屋市選挙管理委員会によると、通常のケースより約6億4000万円経費が増えるとのことです。
通常選挙 | トリプル投票 |
2月6日知事選 約4.6億円 4月10日県議選・名古屋市議選 約7億円 |
2月6日知事選、名古屋市長選、住民投票 約8億円 (解散の場合)名古屋市議選 約6億円 4月10日 県議選 約4億円 |
計 約11.6億円 | 計 約18億円 |