愛知民報

【10.12.05】春日井市松河戸地区 産業廃棄物焼却施設 操業断念 住民が勝利集会

「実質勝った」 控訴審判決

 庄内川をはさみ名古屋北部の対岸にある春日井市松河戸地区に建設された産業廃棄物焼却施設の操業を断念させた住民団体が11日、勝利集会を開きます。

 春日井市、名古屋市北区、守山区の住民運動団体は、2001年に事業者が県に焼却施設の設置許可申請を出して以来、施設の欠陥を指摘し、「ダイオキシン汚染から地域を守ろう」と署名活動や県庁を包囲する「人間の鎖」を繰り広げるなど、建設反対運動を続けてきました。

 04年には名古屋地方裁判所に建設差し止めを求める仮処分を申請。施設建設後の06年には操業差し止めを求めて提訴していました。

 建設後の同施設では、操業に向けた試運転の段階で、基準を越す排ガスや騒音、臭気が発生。消石灰や鉄さびが飛散する事故が起きました。

 住民の厳しい批判を受けた県は今年2月15日、「法律の基準通りに操業できない施設」として設置許可を取り消しました。県が産廃焼却施設の許可を試運転段階で取り消すのは初めてのこと。これにたいし事業者側は処分取り消しの訴訟を提起できませんでした。

 10月12日、控訴審の名古屋高等裁判所は、住民の訴えを却下しましたが、事業者側が「操業することを断念したものと認められる」との判断を示し、住民側の実質勝利の判決を下しました。

 勝利報告会をおこなうのは「阻止する春日井の会」「やめさせる守山の会」「阻止する北区の会」。11日午後5時から名古屋市北区の北医療生活協同組合すまいるハートビル2F。祝賀会参加費3500円。連絡先=052・792・2524(山本さん)