日本共産党の市田忠義書記局長・参議院議員は、11日の参議院環境委員会で、豊田・岡崎両市にまたがる地域に建設が計画されているトヨタテストコース問題を取り上げ、松本龍環境大臣に「開発行為による環境改変について厳しい態度で臨むべきだ」と迫りました。テストコースの問題が国会で取り上げられたのは初めて。
トヨタの計画を受け、用地の取得と造成事業にあたっているのは愛知県企業庁。総面積660ヘクタール、東京ドーム141個分にあたる広大な土地が事業の対象です。
市田氏は、開発予定地に環境省のレッドリストで絶滅危惧(ぐ)種IB類に指定されているサギ科の鳥、ミゾゴイなどの絶滅危惧種が生息していることを指摘。
今秋、愛知で開催された「COP10では2020年までに生物多様性の損失を止めるための効果的な緊急の行動をとることが合意された。そういう状況の下で広大な開発計画が進められている」と、計画地域の生物多様性保護へ政府の積極的な取り組みを求めました。
松本大臣は「愛知県が環境評価をされたと認識している。大臣は関与できない」と逃げの答弁。市田氏は「一企業の開発計画に地方自治体を巻き込んで、生物多様性や豊かな里山を破壊する危険性がある。抜本的に見直すべき」と同省の消極姿勢を改めるよう要求しました。
また、市田氏は動植物の情報整理がだれでも活用できる仕組みづくりを同省に求めました。省側は「国も基礎調査をしているので、わかりやすい形で届くようにしていきたい」と前向きの答弁をしました。