愛知県障害者(児)の生活と権利を守る連絡協議会(愛障協)は9、10の両日、大府市内で「障害者・家族のくらしのねがい・要望交流のつどい」を開きました。障害者の「老い」「介護」について経験報告や意見交流がおこなわれました。そのうち、愛障協前会長の宮田鈴枝さん(81)の報告を紹介します。
宮田さんは13歳で関節リウマチを患い、24年間団地の1人暮らし。現在、車椅子生活で、ヘルパー、デイサービス、ショートステイなどの介護保険サービスを受けています。
「60歳を超えてから老いを感じる。特に80歳を過ぎると?昨日?に戻れなくなる。日に日に力が失せていく」
障害者も65歳を過ぎると介護保険の利用が優先されます。介護サービスを利用すると、1割の料金をとられます。宮田さんは「介護保険は自立・社会参加をはばむ壁になっています」と言います。
宮田さんは介護保険がスタートした2000年からサービスを利用。03年まで要介護度「1」でしたが、その後は「2」。
名古屋市は介護保険制度導入当初、負担増緩和措置として「要介護高齢者等福祉金」を導入。宮田さんは、月7500円の支給金を受け取り、介護サービスの利用料に充当していました。しかし名古屋市は福祉金を廃止。そのため、サービス利用料の家計支出が増えてしまいました。
宮田さんは「支出簿」をつけています。介護利用料だけではなく、介護保険料、医療保険料、消費税の出費も大きくかさみます。これらの支出合計は2000年に6万1075円だった支出額合計は09年には32万4265円に膨れ上がりました。
宮田さんは「年をとるとともに、出費がかさんでいきます。いやおうなしにサービス利用を抑制せざるをえません」と話します。
名古屋市には「肢体不自由3級」以上の障害者は医療費の窓口負担を無料にする福祉制度があります。
宮田さんは「親亡き後の障害者が長命を喜べるように、介護保険の利用料の負担を心配しなくてもいいようにしてほしい。障害者運動で勝ち取った医療費窓口負担ゼロの制度も守りたい」と話を結びました。