愛知県内の看護労働者の6割が健康不安を訴え、8割が職場を辞めたいと思っていることが分かりました。愛知県医療介護福祉労働組合連合会(愛知県医労連)は9月14日、昨年12月から今年1月に実施した「看護職員の労働実態調査」の結果を発表しました。調査は県内の同労連加盟、未加盟の看護労働者1760名からの回答を集計したもの。
慢性疲労
「疲れが翌日に残る」(47・8%)、「休日も回復せず、いつも疲れている」(20・1%)を合わせた、いわゆる「慢性疲労」が67・9%。健康状況について、「健康に不安」「大変不安」「病気がちで健康とはいえない」を合わせると57・2%が健康に不安を抱えています。
危ぶまれる母性
生理休暇は「毎回とっている」(0・4%)、「時々とっている」(1・2%)と合わせても1・6%に過ぎません。妊娠時に「順調」と答えたのは22・1%。切迫流産を経験した人が27・9%。「流産」した人が6・7%もいて、母性保護が危ぶまれます。
長時間夜勤
1999年に制定された看護師確保法に基づく指針では「夜勤は月8回以内」と示されています。
しかし依然、月9回を超える夜勤が多く、3交代勤務の病院では「9回以上」が59・3%。「10回以上」22・5%となっています。
2交代勤務の病院では、夜勤の勤務時間は「12~16時間」が最多で51%、「16時間以上」が31・1%と、長時間夜勤の実態が浮き彫りになっています。
離職増える
厳しい勤務状況から看護職場の離職が増加し、人手不足が深刻化しています。今回の調査では、77・2%が「職場をやめたい」と考えています。
やめたい理由の第1は「仕事がきつい」(43・6%)。次いで「賃金が安い」(41・3%)、「休暇が取れない」(39・5%)。
医療ミスも
人手不足による過重労働で、患者の生命も脅かされている実態が浮き彫りになりました。88・8%の看護師が「3年間に医療ミスやニアミス」を経験しています。
医療ミスの原因について、83・5%が「慢性的な人手不足による現場の忙しさ」をあげています。
労働条件改善を
愛知県医労連の鈴木弘之委員長は「医療崩壊の原因のひとつは看護師の絶対的な不足にあります。看護師の健康を守り、安全な医療を提供するため、長時間夜勤や残業を規制する法的な改善措置も必要です。看護師の増員と労働条件の改善に向け、私たちは医療関係団体と力を合わせ取り組んでいきます」と話しています。
政府は対策を 日本共産党愛知県委員会 厚生労働省と交渉
日本共産党愛知県委員会は今年4月、いたくら正文、柳沢けさみ両県議予定候補者らが参加し、看護師不足の打開を求め、厚生労働省と交渉しました(写真)。
いたくら氏らは、看護師の大幅増員で安全・安心の医療の実現を要望しました。