トヨタ自動車は豊田市と岡崎市の境にある里山地域にテストコースをふくむ大規模な研究開発施設の建設を計画し、現在、愛知県企業庁がその用地造成事業にあたっています。計画地域一帯には絶滅が心配される希少な生物が生息しており、環境団体は生態系保全を求めています。
同企業庁が今年2月から8月まで、事業地域とその周辺計約7000ヘクタールを対象におこなった猛禽類などの調査によると、県のレッドデータブックで、絶滅の危険性が増大している絶滅危ぐII類に指定されているタカの一種のサシバは事業区域内3カ所、区域外21カ所で営巣しています。
絶滅危ぐII類のハチクマも区域内外に営巣しています。準絶滅危ぐ類のオオタカは08年以降区域内の営巣は確認されていません。
サギ類で、近い将来野生での絶滅の危険が高いとされる絶滅危ぐIB類のミゾゴイの営巣は、09年の調査では区域内で2カ所確認されましたが、今回発見されませんでした。今回も区域内で鳴き声が確認されており、営巣の条件があることはまちがいありません。
トヨタテストコース
2010年希少鳥類の営巣状況
種 名 | 事業区域内 | 事業区域外 |
サシバ | 3カ所 | 21カ所 |
ハチクマ | 1カ所 | 5カ所 |
オオタカ | なし | 2カ所 |
ミゾゴイ | なし | なし |