名古屋市の河村たかし市長は「公約の実行は市民の命令」「議会が公約の実現をじゃましている」「議会は民意の縮図でない」と議会解散運動を先導しています。ところが、公約とはちがうことをやろうとしています。「公約」「民意」に名を借りた”議会つぶし”の暴挙に批判が広がっています。
共産党の提案を知り「議会解散」反対に
14日の名古屋市議会の本会議で減税問題を取り上げた日本共産党の山口きよあき市議は言います。
「納税企業のたった0・2%の企業に減税総額の44%が集中し、赤字の中小企業にはほとんど恩恵がない。約40万人の非課税世帯は減税の対象にもなっていません」
名古屋商工会議所の岡田邦彦会頭も「死ぬか生きるかの企業は税金を納めていないから、減税の恩典はない」(「中日」4月27日)と発言しています。
10日、名古屋市議会が開いたシンポジウムには300人を超す市民が出席。「実際の減税は『金持ちは減税ゼロ』の逆だ」と批判の声があがりました。
山口議員は、経営と雇用の悪化で「いま、減税の効果が及ばない企業や市民がどんどん増えています」と深刻な現実を指摘しています。
生活保護をふくむ非課税世帯が増え、個人市民税の税収が落ちています。法人市民税の滞納は06年の4181件が09年には5019件に増えています。
この経済状況では、一律10%減税の恩恵はますます上層に集中します。同議員は「河村市長の減税は経済情勢にそぐわず、格差を広げるだけ。恒久化しても景気の回復、庶民の生活支援には役立たない」と、減税のあり方の見直しと景気対策を求めています。
日本共産党市議団が市内の各戸に配布しつつある「市民アンケート」によると、58%が「公約通り『金持ちはゼロ』にすべき」と回答しています。
同市議団は昨年11月、法人や高額所得層を減税対象から外し、税や社会保険料の負担が増えている低・中所得層に厚い「生活支援の庶民減税」を提案。反響を呼びました。
河村減税の実態や日本共産党の減税提案を知り、市長主導の議会解散運動に反対する市民が増えています。
市長選マニフェスト | 実際の減税 | |
河村市長の市民税減税 | 「定率減税(金持ちはゼロ)」「金持ち優遇には絶対にしない」 | 所得制限なしの一律10%減税。金持ちほど減税額が多い。 |
日本共産党の減税提案 |
?個人市民税だけ(生活支援)?年収800万円以下(金持ちはゼロ)?福祉と両立(福祉予算は削らない)?不要不急の大型事業にメス(財源確保)?単年度実施(景気・財政状況を考慮) |