市民は国保料大幅値上げに悲鳴
河村たかし名古屋市長が主導する名古屋市議会の解散リコール運動について、林信敏・日本共産党愛知県委員会自治体部長に聞きました。
――市長は「公約実現のための減税解散」といいますが。
“公約違反減税”の押しつけだ、と私は思っています。
市長選で「金持ちはゼロ」「金持ち優遇には絶対にしない」と約束しました。ところが、今年度実施した減税は金持ち・大企業に手厚い減税でした。共産党議員に追及されると「『金持ちゼロ』は気持ち」だと無責任な態度をとりました。
公約違反の金持ち減税を市民に押しつけるために、抵抗する市議会をぶっこわし、出直し市議選で私党「減税日本」が議席の過半数を占め、市長言いなりの議会をつくる、これが河村流議会解散運動のねらいです。
議会つぶしは民意つぶしです。民主主義と市民生活の危機です。
――「市民生活の危機」というのは。
市長は「減税財源は行財政改革でつくった」と、市民に被害が及んでいないかのように言います。
しかし、「行革」は福祉切り捨ての別名です。実際、今年度の減税予算は、自動車図書館廃止、保育料値上げ、市立病院廃止・民営化、保育園児寄生虫卵検査補助金廃止など、福祉・市民サービス切り捨てが目白押しでした。
市長与党の民主党もおどろいて予算修正に回ったぐらいです。市民と議会が反対し、ある程度食い止めることができました。
河村減税を継続実施したら、来年度は149億円の赤字になると財政当局が発表しました。
減税のあり方を抜本的に見直すべきです。
――国民健康保険料が大幅に上がった。
そうです。不況と減税で税収が減った分、保険料が上がり、加入世帯の負担が増えました。減税額の2倍から4倍の値上げです。
日本共産党は、国保料引き下げの署名運動を展開しています。
――市選挙管理委員会の試算では、市長の思惑通り来年2月の市議選・市長選・知事選のトリプル選挙になったら6億5千万円も余分に経費がかかるといわれていますが。
そう報道されています。そんなお金があるなら市民生活に回すべきでしょう。
議会解散しなくても、4月には否応なしに定例市議選があります。そこで減税を継続するかどうかを論戦し、市民に問えばいいのです。
――いま市がやるべき仕事は。
市民の生活と営業の応援です。
河村市長の9月補正予算に円高不況対策が一円もないのはまったく不思議です。
マスメディアが書いていますが、自分の「政治理念」の実現には「エイリアンのしつこさ」だが、「市政の重要課題には無関心」では市民が困ります。
名古屋市民は無謀な議会解散リコール運動を許さないでしょう。