愛知民報

【10.09.12】名古屋高速 山王~六番北 強行開通 防音対策とらず

周辺住民との約束破る

 
 名古屋高速4号東海線の山王ジャンクション(名古屋市中川区)~六番北出入口(同市熱田区)が4日開通しました。山王・尾頭のJR・名鉄陸橋をまたぐ地元の住民らは「約束を破って開通を強行した」と怒っています。

 同高速の高架が完成した昨年夏から住民は騒音に悩まされてきました。JRや名鉄の電車が通るたびに音が高架に反響して頭上から大きな騒音が浴びせられます。高架下の市道も反射騒音が生じています。

 名古屋高速道路公社は昨年5月、地元住民への説明会で反射音対策について、公社は「開通する今年夏までに高架の裏面に吸音板を設置する。市道には低騒音舗装をする」と約束しました。

 ところが公社は3月25日の住民との懇談で低騒音舗装は間に合わないと表明。住民からは「舗装ができていないのに開通すると、騒音が基準を超える」の声があがりました。
 公社は「全面開通までに十分な対策を取る。一部開通なので交通量も少ないが、騒音や大気調査をおこない、住民と話し合っていく」と言明しました。

 住民が何度も説明会を求めましたが公社側は応じず、開通直前の8月25日にやっと開催。最初は防音対策の約束が守れなかったことに謝罪もありませんでした。住民の抗議で謝罪したものの開通を強行しました。

 説明会に出席した日本共産党の江上ひろゆき市議は「住民の生活に心を寄せない公社の態度は許せません」と批判しました。

名古屋市 自動車騒音 基準オーバー多数

 名古屋市が2日に発表した2009年度の自動車騒音定期監視結果によると、市内の交通騒音の環境基準達成度は低い状況です。

 主要幹線道路沿いの185区間を調査。区間内1万3990戸のうち2608戸(18・6%)が環境基準を超えていました。

 国道22号線沿いの西区児玉2丁目は昼夜間とも要請限度を3年連続超過しています。

 【要請限度】道路周辺の生活環境が損なわれると認められる時、市町村が関係機関に対策措置を取るよう要請する基準。