愛知民報

【10.08.08】国民健康保険 保険料引き下げの大運動

負担能力超す

 「高すぎて払いたくても払えない」と悲鳴があがる国民健康保険の保険料。県内の民主商工会や生活と健康を守る会、日本共産党は、引き下げや減免制度の拡充を求める運動をすすめています。

民主党の公約違反

 民主党は昨年の総選挙で「国保料(税)引き下げのため国庫負担を増やす。政権についたら直ちに予算措置をとる」と公約していました。しかし今年度予算で増えたのはわずか40億円。

 今年5月の参議院予算委員会で、日本共産党の小池晃議員(当時)が無保険による死亡例を示し、国保改善のための国庫負担増額を要求。鳩山由紀夫首相は「看過できない問題。財源確保に努力したい」と答えました。

 しかし、現在まで民主党政権は具体的対策を何ら講じていません。

滞納世帯2割強

 愛知県内の国保料(税)の滞納世帯は09年度23万1995世帯。国保加入109万637世帯の21・3%。明らかに負担能力を超えています。

 各市町村は、保険料滞納世帯に対する制裁措置として、保険証を有効期間の短い短期保険証や病院窓口でいったん医療費の全額支払いが求められる資格証明書に切りかえています。

 09年度は短期保険証交付6万3155件、資格証明書交付3882件ありました。

冷たい名古屋市

 多くの市町村では住民の要求運動により、09年度の資格証明書の発行は前年度より減少しました。

 名古屋市だけは資格証明書の発行が急増しています。08年6月1088件、09年6月2037件だったのが、河村たかし市長のもとで今年3月には3644件となっています。

 今年3月末の短期保険証の発行は1万8209件。そのうち4247件は「役所に保険証を取りに行くと保険料支払いの督促をされる」などの理由で役所に保険証を取りに来ず、手もとに保険証のない無保険状態になっています。

 厚生省は昨年10月、「長期間に及ぶ窓口保留は好ましくない。改善するよう」との通達を出しています。本紙の問い合わせに名古屋市の担当者は「状況を知るためにも会って話を聞く必要がある。郵送等で一律に送付はしない」と答えました。

運動が実る 

 北名古屋市は6月議会で国保税の引き下げ条例案を可決。4人家族で平均3万5千円の引き下げが今年4月にさかのぼって実施されました。

 北名古屋民主商工会などでつくる「くらしと健康を守る会」は高すぎる国保税の引き下げを求める署名を集め、市と交渉。運動が実りました。

 名古屋市の南区国保料など減免をすすめる会は毎年、区役所と懇談しています。7月23日の懇談のなかで国保担当者から「減免制度の広範な周知や相談窓口の対応改善」の回答を得ました。

 豊明市では6月議会で日本共産党の前山美恵子議員が、低所得者への減免拡大を求め、市の担当部長は「拡大を検討する」と答えました。