津市沖に機雷戦の訓練海域設定も
最新のヘリコプター用航空母艦を中心とする海上自衛隊の精鋭艦隊が伊勢湾に集結し洋上訓練を実施します。ねらいは海外作戦に通用する戦力の誇示。「日米同盟の深化」をうたう民主党・菅政権は、米軍支援の海外派兵を自衛隊の中心任務にすえた自公政権の方針を拡大・強化しつつあります。その舞台に、伊勢湾がねらわれています。
海自最強
伊勢湾での洋上訓練に参加するのは海上自衛隊のヘリ空母「ひゅうが」(1万3950トン)、イージス艦「こんごう」(7250トン)、掃海母艦「うらが」(5650トン)など13隻、航空機7機。
「ひゅうが」は最大11機のヘリを搭載でき、対潜水艦戦や陸戦部隊の空輸が可能。イージス艦「こんごう」は環太平洋合同演習(リムパック)に参加し米海軍などと合同演習を実施。掃海部隊はペルシャ湾の機雷除去作戦に参加した経験があります。
今回、伊勢湾に集結する自衛艦隊は海外派兵をにらんだ最強の編成といえます。
海兵隊と一体
海上自衛隊のヘリ空母は、侵略部隊の米海兵隊との一体使用が想定されています。
鳩山由紀夫前首相は、沖縄県の米軍普天間基地移転問題に関連し「ヘリ空母が3艦から4艦あれば、沖縄のアメリカ海兵隊ヘリ部隊の訓練ができる」と防衛省に検討を指示していました。
「ひゅうが」と同型艦の2番艦「いせ」は昨年8月進水。来年3月に海上自衛隊佐世保基地に配備されます。ヘリ空母の3番艦は「ひゅうが」型を大きく上回る1万9500トン。2014年度に完成予定です。
広がる抗議
防衛省は7月14日、伊勢湾に機雷の除去や敷設をおこなう掃海訓練海域を設定し、漁業関係者との協議に入ると三重県に通告しました。13日には、三重県・愛知県選出の国会議員に説明。愛知県にはすでに6月に訓練海域設定の連絡がありました。
訓練海域は津市から松阪市の沖。掃海訓練はれっきとした機雷戦の訓練です。自衛隊は全国6カ所を掃海訓練海域としていますが、一部で関係漁協の同意をえられないために設定できず、伊勢湾に振り向けると言います。平和団体は「伊勢湾を戦争の訓練場にするな」と抗議の声をあげています。
「自衛艦の入港拒否を」 日本共産党名古屋市議団
日本共産党名古屋市議団は7月22日、名古屋港管理組合(管理者・河村たかし名古屋市長)に、伊勢湾マリンフェスタに伴う自衛隊艦艇の入港を拒否するよう申し入れました。
わしの恵子同市議団長は「平和な商業港の軍事利用は許せません。管理者の河村市長はキッパリと拒否すべきです」と語りました。
平和と憲法を守る港区連絡会や愛知県平和委員会など県内の平和団体は、艦艇入港予定の20日夕、名古屋港のガーデン埠頭で大規模な抗議集会をおこないます。