威力失う河村戦略
名古屋市会の6月定例会は6月29日閉会しました。
河村たかし市長が提出した市民税10%減税の恒久化条例案は継続審査とされ、市議報酬半減条例案は否決されました。
河村市政の基本計画「中期戦略ビジョン」は修正され、補正予算に付帯決議が付けられました。
「議会解散・リコール」運動を構え、議会を揺さぶりながら議案を押し通す河村戦略が威力を失ってきています。
共産党市政をリード
日本共産党市議団は「生活応援・景気対策」「議会改革の推進」の目標で6月定例会に取り組みました。
同市議団は、中学卒業までの子どもの通院医療費無料化を要求。市長は「今年度着手を考える」と前向きの答弁をしました。不況対策として、建築関係業者の仕事を増やす住宅リフォーム助成制度を議員提案しました。
「議会改革」では、議員費用弁償の廃止や政務調査費の領収書全面公開の実現につづき、議員報酬引き下げを提唱。議会否定につながる市長の議員報酬半減条例案には反対しました。
従来路線の3党
前市長時代の民主・自民・公明のオール与党体制は昨年の市長選挙で崩れ、民主と自民・公明が対決する形になりました。
ところが、市長選後、民主党は、特異な「庶民革命」路線を追求する河村市長との対立を深め、野党の自民・公明と同一歩調をとる場面が多くなっています。
民主・自民・公明3党の立場は、財界要求の大型開発中心、福祉切り捨て・市民負担増の「行革」路線です。河村市政も基本路線は3党と同じです。しかし、河村市長の「減税」「地域委員会」「議会改革」は、財政悪化、議会の弱体化など従来体制を崩す危険をはらんでいます。
議会の多数を占める3党は、河村市政の矛盾を緩和しつつ、従来路線を維持しようと右往左往しています。
「市民こそ主人公」の立場で活動する日本共産党の役割がますます重くなっています。