愛知民報

【10.06.06】民主党の裏切りに怒り 米国と財界に物が言える政治を

 民主党政権が発足してから8カ月。民主党は昨年の総選挙で掲げた「沖縄県の米軍普天間基地の県外、国外移設」、「後期高齢者医療制度の廃止」、「障害者自立支援法の廃止」などの公約をことごとく投げ捨て、「公約違反だ」と国民の怒りの声が沸騰しています。
 

本土でも訓練

 日米両政府は5月28日、米軍海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「移設」先をキャンプ・シュワブ(同県名護市)の辺野古崎地区及び隣接する水域とする共同声明を発表しました。

 この政府方針に県内各地の沖縄出身者や平和団体から怒りが広がっています。

 名古屋に住んで30年という金城真理さん(55)は「子どもの頃、住んでいたコザ(現在の沖縄市)では米兵の犯罪が多発していた。今も故郷では米兵の犯罪や航空機の騒音などに苦しんでいる。政府方針は沖縄県民の『県内移設反対』の声を踏みにじるもの」といいます。

 共同声明は、米軍訓練を鹿児島県徳之島や日本本土にも移転するとしています。

 5月28日、防衛省職員が航空自衛隊小牧基地のある小牧市、春日井市、豊山町を訪れ、声明の内容を説明しました。日本共産党尾張中部地区委員会と同党春日井市議団は1日、春日井市長にいかなる米軍の訓練・移設も受け入れないように申し入れました。

「約束違反だ」

 民主、自民、公明各党は障害者自立支援法の「延命」につながる「自立支援法一部改正案」を1日の参議院厚生労働委員会で審議をせずに可決しました。

 自公政権時代につくられた障害者自立支援法は、障害者の支援サービスに1割の自己負担(応益負担)を強いるもの。同法の廃止を求める障害者は国を相手取り、違憲訴訟をおこしました。民主党政権は「13年8月までに廃止」と表明し、今年1月、訴訟団と和解しました。

 ところが今回の「改正案」は医療支援は1割負担のまま。訴訟団と合意された応益負担廃止、介護保険優先原則廃止には全く触れていません。

 きょうされん愛知支部の大野健志事務局長は「障害者自立支援法は違憲だと裁判を起こし、国を信じて和解に応じた。それなのに民主党が自公と一緒に障害者の意見も聞かず、法案を通すのは約束違反だ」と抗議の声をあげています。

自公と変らず

 十分な論議もせずに、重要法案を強行する民主党の国会運営は、前政権の自民、公明と同じです。

 自立支援法一部改正案と同様に、民主党は5月31日深夜、衆議院本会議で、郵政「改革」関連法案を民主党、国民新党、連立政権を離脱した社民党の賛成で可決しました。抜け道だらけの労働者派遣法改正案の衆院厚生労働委員会の審議はわずか4時間。今週中の衆院通過を狙っています。

 日本共産党は「民主党の“迷走”逆送の根本にはアメリカと財界にモノが言えない問題があります。国民の立場でモノを言える政治をつくろう」と呼びかけています。