学生が“氷河期の再来”という深刻な就職難に見舞われています。愛知県の大学生・中高校生の就職内定率は3年連続して低下。来年3月卒業予定者の就職活動は早くも激しくなっています。
内定6割
県内の今年3月卒業の大学・短大生を対象にした就職内定調査によると、内定率は63・8%(前年比13・1%減)。1994年の調査開始以来、3番目の低さです。
今年3月卒業の中高生の場合は高校生98・15%(前年比0・6%減)、中学生80・9%(前年比3・7%減)となっています。高校生179人、中学生66人は就職が決まらないまま卒業しました。
就職浪人
愛知中小企業家同友会は10、11の両日、合同企業説明会を開きました。参加した39社の採用予定100人余に対し、2日間で2000人を超す学生が訪れました。
食品会社のブースで説明を聞いていた女子学生は「昨年秋から30社以上訪問してきましたが、内定をもらえません」と話しています。「応募資格が新卒という企業が多く、就職浪人には厳しい」というのは、今年3月に大学を卒業した男性。
参加した印刷会社の人事担当者は「3年前までは中小企業の説明会に来る学生は少なかった。今年は数人の採用予定に対し100人以上が来た」と話しています。
「狭き門」
県内の大学の学生自治会が加盟している愛知県学生自治会連合は、全日本学生自治会総連合(全学連)が6月11日におこなう国会要請行動に向け、各学園で就職アンケートに取り組んでいます。
回答には「3年生の秋から授業に出ず、会社回りしている」「就職できないと奨学金が返せない」「公務員志望だが、民主党の来年度の国家公務員採用数半減方針で『狭き門』になった」などの就職不安が寄せられています。
打開策
日本共産党は4月21日、政策「新卒者の就職難打開―社会への第一歩を応援する政治に いまこそ、国、自治体、教育者、そして企業と経済界が真摯な取り組みを」を発表しました。
新卒者の就職内定率史上最悪という事態打開へ経済のあり方と政治を変えることを呼びかけています。