市政右傾化の不安
名古屋市の河村たかし市長が、昭和天皇の誕生日にあたる4月29日に愛知県護国神社を市長の立場で参拝しようとしていることが明らかになりました。
愛知県護国神社は、太平洋戦争などで戦死した愛知県ゆかりの軍人を「護国の英霊」として祀っています。
新聞報道によると、河村市長は戦没軍人に感謝の念を示したいとし、記帳の機会があれば、「名古屋市長」と記帳する意向。
歴代市長は「遺族会顧問」などの立場で参拝しており、市長の立場で参拝するのは河村市長が初めてといわれます。
同市長は衆議院議員時代から「靖国派」として知られ、2008年秋に公表した「河村ビジョン・庶民革命」のなかで9条改憲・軍隊保持・靖国参拝を公言。
名古屋市長就任後も日本の侵略戦争を認めず、南京大虐殺の事実を否定してきました。
護国神社参拝は靖国参拝の名古屋版といえます。市民から市政の右傾化を心配する声があがっています。
日本共産党名古屋市議団は河村市長に、護国神社公的参拝中止を申し入れました。
無料紙にデタラメ発言「退職金4220万円」
市内各戸に配布されている週刊無料新聞『リビング名古屋』4月10日付に掲載された河村たかし名古屋市長にインタビューした記事の中で、議員の収入について「2700万円。しかも4年ごとに4220万円の退職金がもらえる」という同市長の発言を紹介しています。
事実、は議員には退職金制度はなく、4220万円の退職金は市長の制度。同市長は昨年11月の市議会本会議で「議員報酬に政務調査費および費用弁償を加えて年額2350万円」と発言していました。今年の2月市議会で費用弁償が廃止され、減額しているのに「2700万円」に増えています。市長発言は明らかに事実に反しています。
市が11日開いた「市政パブリックヒヤリング」で、出席した市民から「市民をあざむく」と批判が出ました。市長は「印刷の間違い。昨日知った。訂正を申し込む」と弁解。14日の議会運営委員会で、市長室長は「訂正を掲載する」と説明しました。
『リビング』紙は事前にインタビュー記事を「市長室に見てもらった」と言っています。同紙は県内50万部が発行されています。
金持ち減税恒久化
河村市長は19日に市議会の臨時議会を開き、大企業・金持ち優遇減税の恒久化や議員報酬の半減などをねらいます。
河村市長の「減税」は、「金持ちはゼロ」の公約にそむく大企業・金持ち優遇減税。恒久減税でしたが、2月市議会では福祉削減や財政悪化をまねくとして2010年度限りに修正されました。
市長は2月市議会に議員定数・報酬半減、政務調査費廃止の条例案を出しましたが、議会は否決。市民からも「あまりに乱暴」「市長の強権政治につながる」などの市長批判が噴出しました。
これにたいし市長は、臨時議会を開き、修正や否決された議案を復活させようとしています。
日本共産党市議団は、河村市政を市民犠牲と民主主義破壊の「構造改革」路線と批判。福祉と民主主義を守りすすめる立場で論戦にのぞむ構えです。